折々の花

毒痛み(ドクダミ)



 朝の4時前にホトトギスの鳴き声で眼が覚めた。先程まで、雨降りだったのだろうか。
 ベランダに出てみると雨樋を伝う水音が隣家から聞える。夜が明けると共に、天気は急速に回復してきた。眩しい陽射が雲の切れ間より射し込んできた。
 つん の住むマンションと隣家との境界は生垣で、五月末のこの季節、白い小花をつけたネズミモチの香りが漂ってくる。
そして、生垣の根元ではドクダミが白き十字を切っていた。

     「 どくだみの花いきいきと風雨かな 」      大野林火



    折々の花