茅萱(チガヤ)
家からゆっくり歩いて15分ほどの川沿いに緑地に囲まれた公園がある。 河川の分岐箇所にある公園は、小魚の泳ぐ姿も垣間観れる水面まで穏やかな青草の傾斜が続いている。
五月半ばの日曜日。散歩で通りがかったら、緑のカーペットの中に、まだ茅花(ツバナ)が咲残っているのに気がついた。
子供のころ、茅花をひき抜き口に入れて噛んだ記憶があり、あの、微かな甘みを朧げに思い出した。
「 あさ茅原つばな輝く日のひかり
まほにし見れば、風そよぎけり 」 釈 迢空