西穂独標
深雪の中 上高地へ
テン場の夜明 世紀末の太陽が西穂山荘前のテン場にも 力無く昇ってきた。夜明である。 初日の出なのである。 大晦日の昨晩からテントを叩く風の音と、入り込む冷気で 寝不足なのである。やはり冬季天幕山行は今回が最後に なるのだろうか。 今日は私の誕生日なのである。 それにしても、この歳になってただ一人、この テン場で世紀末の元旦を迎えるとは ・・・・。 |
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強風の中の登り 雪煙の揚がる中、丸山からの稜線を登る。 大斜面を登りきる様になると、 前方に独標が少しずつ頭をもたげて来た。 |
独標の標識 |
ピラミッド・ピークを望む 独標に到着した。 ピラミッド・ピークが大きい。 独標の標識脇から望む雪稜は ピラミッド・ピークの先 主峰西穂高岳へ続いている訳だが巻き上がる雪煙の ため、霞んで良く見えない。 |
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分 岐 独標より戻り返ったテン場から上高地に下りる。 正月なので他人のトレースを期待しての行動なのである。 しかし、凄い雪の量である。うっかりトレースを踏み外すと 太腿までズボリとくる事もある。 背負った荷のため暫く身動きできなくなり、ザックを身体から 放した後、改めて回収する作業を何回か繰り返した。 そして雪に塗れながらも田代橋を渡り、 朝の10時過ぎには上高地に下りて来た。 |
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上高地を歩く |
大正池にて |
さすがに正月元日である。上高地も静かなものである。 帝国ホテル周辺の道にも何本かのスキーのトレースが あるだけなのである。昨晩の地吹雪か何かで 古い足跡などは消え去ったしまったのであろうか。 後は釜トンネル入口、中ノ湯売店までの長い雪道歩きである。 途中の大正池湖畔から見上げる穂高の峰々は 白い雲の彼方に霞んで見えた。 釜トンネル内で道路凍結による転倒を心配したが、今回は 注意して歩きスッテン・コロリンとならずにすんだ。 元日の晩には帰宅した。 |