狛犬メモ(1)
はじめ狛犬
「はじめ狛犬」って何?
これは狛犬分類上で初期型のものを指します。円丈会長によるネーミングで、狛犬界ではほぼ定着した呼称。
円丈会長は「江戸はじめ」と呼びましたが、鐸木さんの<地域としての江戸に限らず、全国的に散らばっている「初期型狛犬」との意から、単に「はじめ」と呼ぶ>ことに賛成ですので、このサイトでは「はじめ狛犬」としています。

円丈会長の解説(本家サイト内:円丈式狛犬分類カタログより抜粋)
「まだ狛犬の様式が進む前の段階として登場。体は一様でなく、やや小型で素朴な中に味わいがある。一般的に彫りも浅く素朴でやや小型。首は曲げずに正面を向く。銘は台石ではなく、足座や胸や背に刻まれているものが多い。数は少なく貴重な狛犬である。」

鐸木さんの解説狛犬分類学・狛犬分類研究2より抜粋)
ほとんどの石工たちが、まだ狛犬というものをよく知らずに、伝聞や想像で造り始めた頃の狛犬です。つまり「庶民ルーツ」の狛犬。そのため、定型があまりなく、技術も神殿狛犬起源のものに比べるとほとんどが稚拙です。
  
顔の特徴
  1)彫りが浅い。
  2)巻き毛や牙などの「パーツ」が少ない。
  3)鼻や目が小ぶりで、あまり怖くない。
  
からだの特徴
  1)全体に小ぶり。
  2)渦巻き模様など装飾的な要素が少なく、平板。
  3)前脚の間をくり抜いていないものも多い。
  4)尾も目立たず、ほとんどないものもある。