吉六名品狛犬(1) 〜駒林神社(港北区日吉本町)
ここの吉六狛犬は正に名品である。
私個人としては、数ある吉六作品の中でも一番好きです。
もう何度となく来ているが、素晴らしいのは狛犬だけではない。
この神社の雰囲気が、この狛犬の存在にとても良く合っているのだ。
素晴らしい出来ではないでしょうか!
個人的には「江戸両子獅子」タイプの最高傑作と思っています。
線の彫り、細やかさ、表情、形、全てが良い。吽の小獅子の見上げる表情、親の脚の上げ方…
そんな中、この狛犬で一番見て欲しいのは左右(雌雄)の彫り分けです。
尾、たてがみ、眉…この写真でもその違いが良く分かるのではないでしょうか。
子獅子にもその違いがハッキリ出ています。
また、下の写真のように胸の毛が子獅子へと掛かり…その部分は透かし彫りになってなっています。
こんな所も手を抜いていない職人の心意気を感じます。
銘は鶴見の「鶴」と飯嶋の「嶋」が異体字になっています。

鶴には雨冠をつけ、嶋では山偏の山を上に付けています。

 神社名  駒林神社
 住 所  神奈川県横浜市港北区日吉本町2-25
 石 工  鶴見橋 飯嶋吉六
 建立年  天保9戊戌年2月吉日(1838)
 奉 納  願主 小島吉左衛門 栗原伝蔵