江戸期建立狛犬/天保(3) 〜大綱金刀比羅神社(神奈川区台町)
吉六唯一の獅子山!
…ではありません。獅子山風台座に乗った江戸狛犬です。

そして、銘はありませんが、これは吉六狛犬です!

石段の上、その左右に溶岩状の岩山。
そして、そこにはシンプルだが風格のある狛犬。
実はこの狛犬には銘がない。
石工銘も建立年も分からない。
分からないが、「これ吉六っぽくないですか?」とは10年前に初めて見たときの円丈師匠の言葉。
しかし、それを裏付ける資料から、天保期の吉六の作であることが明らかになった。
資料とは、国見優太くん及び北村正幸氏の記載から明らかになった。
吉六の一次資料として貴重な、生麦村名主関口氏による「関口日記」の記載による。

「関口日記」天保11年3月6日の項
「つるミ石屋倅饅頭持参 金毘羅前 狛二ツ神奈川へ持参之由…」
(「鶴見石工・飯嶋吉六の石造物 その壱」北村正幸 藍 第27号 より)

※ 参考文献・資料については別項をご参照下さい。

 神社名  大綱金刀比羅神社
 住 所  神奈川県横浜市神奈川区台町7
 石 工  銘無し 〜 飯嶋吉六(上記文献による)
 建立年  銘無し 〜 天保11年3月(1840)
 奉 納  銘無し