久美子の 狛犬散歩
 その(41)
鷺宮界隈・鷲宮八幡神社〜困った!どうすればいいのだ!

 「こんなところまで上がって来ちゃったけどどうやって降りればいいんだ?」そんなボヤキが聴こえる。

小さな狛犬なのに獅子山風台座がとても高い。
それも面積が狭いせいか、絶壁の上にいるようだ。
降りようとして一歩を踏み出しても足場が少なく直滑降で落ちてしまいそうなのだ。
だから
こんなに困った顔をしているのだろう。
耳を伏せ、額にしわを寄せて立ち往生している。

西武新宿線鷺宮駅降りて南側すぐの
鷺宮八幡神社
鳥居前の
明治21年の狛犬だ。
阿の方は乳飲み子を連れている。
流れるタテガミがきれいに巻いていてまとまりが良い。
身の軽い狛犬なので岩の上にいてもおかしくないのだが、
さえない表情が印象に残る小物狛犬だ。

鳥居の内側には文化13年(1830)の立派な狛犬がいる。(写真上)
台座にはボタンの彫もあり、貫禄充分だ。
神様を守る役目はこちらに任せているのかもしれない。

鷺宮八幡神社中野区白鷺1-31-10

大野久美子 2009年第75号より