久美子の 狛犬散歩
 その(36)
三田界隈・讃岐会館〜おおらかで豪快!

「狛犬が見たいなら近くの讃岐会館御田八幡(みたはちまん)の狛犬がいるから是非見ていきなさい」との港区赤羽橋近くの元神明宮、宮司さんのご紹介。
元神明宮の胴長細身の狛犬も面白かったが、ここはお勧めにしたがってワクワクしながら讃岐会館に直行。

おかげで、なかなか立派な狛犬とご対面。
「御田八幡神社古跡」石碑の両脇にいたのは典型的な寶暦狛犬だ。
ちょうど讃岐会館庭園内の少し小高くなった良い位置にあり、保存状態も良い。

ウンはツノをもち前歯がぎっしりのユーモラスなオニ顔。
アは頭に宝珠を乗せて大口をあけて豪快に吼えている。というより笑っているようにみえる。
石の厚みが感じられるどっしり型。
首も身体と同じ方向にまっすぐ向いた素朴な造りだ。

寶歴七年(1757)近隣の飯倉町の奉納
風貌が高田馬場穴八幡神社の寶歴五年の狛犬にも似ている。
約80年後の
天保六年(1835)には再興とある。
台座だけ作り直したのか、それとも移築した年なのだろうか。
御田八幡神社は江戸開幕の際に、徒歩で30分程の三田三丁目の方に移っているが、その前はこの地で羅生門の鬼退治で有名な渡辺綱の産土神として綱八幡と称されたとある。

讃岐会館(東京都港区三田1-11-9)

大野久美子 2008年第69号より