久美子の 狛犬散歩
 その(14)
神楽坂界隈・秋葉神社〜古い街の小さな神社で出会った狛犬
宿区ほど古い町名がそのまま残っている区は他にない。
なかでも市谷から神楽坂にかけては100メートル歩けば町名が変わる忙しさである。
そんな中では比較的大きな街 矢来町の小さな神社、秋葉神社に立ち寄ってみた。

ルリとした頭をついなぜたくなる。小ぶりながら目、口の表情がはっきりした狛犬がいた。
流れた尾の彫りが平面的で角張っていたり、阿吽の表情が違うのは、まだ完成していない石工さんの作なのだろうが、全体として生き生きした狛犬だと思う。
明治4年の作にしては台座も低くて親しみやすい。

吽の台座にはそれぞれ小日向・水道街の街の名が記されている。
小日向・水道街は現在、神田川の対岸、文京区の町名であり、神社から2キロは離れている。
川を越えて奉納がなされるものだろうか。神社が移設されたのか。街の区分が違うのだろうか。


都会の中の小さな神社 ここは狛研データ未掲載
秋葉神社(東京都新宿区矢来町)  

                             大野久美子 2004年第44号より