狛犬を10倍楽しむ 〜 久保田 和幸 |
狛犬を追いかける愛好家は、必ずと言ってよいほど個性派狛犬志向におちいるか、おちいっていると思う。 一度個性のある狛犬に出会うと、また個性のある狛犬に会いたくなる、必然の心理である。 個性派ということは、数少ない部類のものということに他ならない。 今まで個性派狛犬を見た中で、分類するとなると面倒なものだが、最も端的なのは、「丸い頭」である。 |
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ゴリラ |
乱杭歯 |
丸い頭。 実際に出会うとなると平均的には、百対に一対ぐらいなものであろうか、眉毛・耳・鬣などがなくなるのであるから、狛犬のデザインからは当然外れたものになる。 これだけで既に個性派狛犬の条件を満たしている、 それに目鼻の変化が加わるのである。 目の入れ方でマンガ顔にもなるし、奥目にすればゴリラ顔にもなる。 歯の表現、口の彫り方で全く違ったものに変化する。 見る側になれば楽しい限りである。 楽しみついでにそんな狛犬には、是非アダ名をつけることをお奨めする。 2002年 第31号 より |
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ゴリラ<写真上左>
氷川神社(埼玉県川口市上青木) 奉納・嘉永4年(1851) |
乱杭歯<写真上右>
間々田八幡宮(栃木県小山市間々田) 奉納・安政3年(1856) |