今月の一枚  82号〜98号

2011.2.23 第82号 小川 文雄

本殿・拝殿は「吉備津造り」として国宝に指定されている岡山市の吉備津神社を訪れた。
本殿から約四百米回廊を歩くと旧社務所門の近くに、石造狛犬では珍しいチワワに似た尖った耳の、吽像狛犬を発見。阿像は垂れ耳である。奉納者と尾の形から浪花系狛犬と思われる。建立は寛政3年(1791)。(岡山市吉備津931)

2011.4.20 第83号 篠島 寛

坊主頭(蛸入道?)で眉間に皺を寄せ後ろ髪はカー
ル、股間にシンボルを付けての吽像狛犬。三代狛犬か・子連れ狛犬かは不明。右に阿像が同様に鎮座しているが、拝殿があるため同時撮影はできない。福井県三方上中郡若狭町の須部神社、安政6年3月建立。

2011.7.24 第84号 小川 文雄

福岡県との県境に位置する佐賀県 肥前一宮 千栗八幡宮の摂社前に鎮座している。体型は一見カバに似た狛犬。擦り寄らんばかりに愛嬌をふりまき、低姿勢ではあるが、鋭い目つきは久留米狛犬の血筋か。明治11年建立。

2011.12.12 第86号 岡 博重

わが狛研の会長・三遊亭円丈師匠の出身は、名古屋市雁道町。師匠の著書の中に、生家のすぐ近くにある富士八幡社の狛犬が登場します。「子どもの頃さんざん乗って遊んだ、大正7年建立の京タイプ。やや小型で素朴ながら、なかなかのツラがまえ。いま乗ったらかみつかれそうな迫力のある顔だ」と、紹介されています。

2012.2.23 第87号 和田みどり

茨城県利根町立木 蛟蝄神社。狛犬は嘉永五年九月、奉納者 信州上田侍従 源 忠優=松平 忠優、石工不明。相馬郡は幕府に献上する馬の産地でした。ここは信州の管理下だったようです。馬に関する地名が残っています。9月14日には鹿島神宮の鹿と交歓会(今風にいうと合コンですか?)馬鹿祭りがあるそうです。

2012.4.23 第88号 小川 文雄
通称、山王稲穂神社は赤坂の日枝神社より承応3年(1654)、下小金井の新田開発のため御分霊を祭ったと言われている。大正7年に奉納された狛犬は、ライオンのように立派な鬣で、顔だけ見ると羽を広げた蝶の如し。(小金井市本町5-41-36)

2012.6.28 第89号 小川 文雄

何とも不思議な顔の狛犬で、正面と真横からの二面相に見える。実際は正面の顔のみが本物で、現地で見ていたときは納得していたが、後日、写真を見たら頭が混乱してしまった。安政6年(1859)の奉納。 (愛媛県四国中央市 八幡大神社)

2012.8.28 第90号 和田みどり

安産・子育ての神様がいます。山門には江戸時代お産で命を落とす女人が多く悩んでいた村の長の夢枕に「ここにお参りせよ」とのお告げをした木造の白い犬が2匹、さらに参道を進むと平成17年に奉納された「柴犬」のような狛犬?が…台座の丸いものはなんでしょう?とりあえずウンがつきそうなので撫でてきました。(つくばみらい市 板橋不動尊)

2012.10.31 第91号 岡 博重

長崎市民のハイキングコース、金比羅山(366m)の山懐に建つ琴平神社の狛犬です。160㎝四方の四段の台座の上に、後脚で立ち上がっています。銘に筑後丸など3隻の船と、6名の機関士、さらに33名の名があることから、海に関わる人たちの寄進だということが分かります。航海安全などの文字も刻まれています。

2012.12.21 第92号 平塚 胖

大分県国東半島は仏の里と呼ばれ神仏習合の神社仏閣が百を越える。歴史研究の仲間9人で国東半島を訪ねた。文殊仙寺は半島のちょうど中程にあり、奥の院への参道の入り口に左右二基の常夜灯(石灯籠)を担ぐ狛犬らしき動物が坐っていた。(大分県国東市国東町大恩寺2,432)

2013.2.21 第93号 小川文雄

大宝八幡宮は、関東最古の八幡さまと紹介されているが創建は不明。拝殿前には何とも奇怪なブロンズ製の狛犬が鎮座している。何処から見ても狛犬とは思えない。しかし、台石・案内板とも「平成狛犬」と明記されている。デザインは漫画家とのこと。抱いているのは恐竜の玉子だそうな。 (茨城県下妻市大宝)

2013.4.23 第94号 小川 文雄

長崎県島原市で会った狛犬9対のうち4対に共通しているのは、スマートで顔はクシャくしゃ、目玉が大きく、顎鬚・鬣が立派なこと。製作年代は嘉永・慶応・大正と異なり、石工名は刻まれていない。調査数が少なく無謀ではあるが、「島原狛犬」と命名した。(八幡神社・島原市八幡町 大正2年建立)

2013.6.27 第95号 和田みどり

大きな口、大きなお尻、蹲踞型でもなく、構えている訳でもなく…ただ四つん這い。そしてお腹の下には行方不明(?)になってしまった子供の足がつま先だけ4つ残されている。子供はどこに…ユーモラスな顔も寂しげに見えます。
(我孫子市湖北台・八幡神社 昭和八年 石工 当地区中峠 森田定治)

2013.8.27 第96号 和田みどり

JR成田線椎柴駅から500メートルの所。獅子毛の巻毛が見事でコブ状にびっしり体についてます。大正6年3月奉納、石工は不明です。(銚子市高田町・高田神明宮)

2013.10.22 第97号 小川文雄

目的は伊豆市修善寺・八幡神社の「謎のブサイク狛犬」(87号参照)を見ること。途中の湯ヶ島・天城神社に2歳下、明和2年(1765)生まれの弟分が鎮座。阿像はソッポを向き(一説では天城山を見ている?)兄より面相が悪く、石工違いの義兄弟の趣。

2013.12.18 第98号 久保田和幸

富士山世界遺産を構成する浅間神社八社の中の一つ、富士宮市の村山浅間神社の一対です。前足を広く開いて低く構えています。私の好きなポーズをとっている狛犬です。