獅子山狛犬を彫る
〜彫刻石工にとって夢のような話 綱川 誠志郎

大山阿夫利神社の獅子山の話を聞いたのは今年の正月の事だった。
その時とてもわくわくして話をした事を覚えている。
まさか私が彫る事になるとは思ってもいなかったのだが、それから半年後に見積りをして下絵を描き正式に注文を頂いた。

原石が工房に入ったのが7月。親獅子の原石は3トン近くあって驚いた。今回の設置場所への輸送の関係で親獅子の重さは各1トン以下と言うのが条件だった。


これが原石

荒ばつり


そのことを念頭に置いて阿像から制作を開始したのだが本小松石は硬く、真夏の暑さもあって疲労困憊の作業が続いた。
納期は10月中頃。この目標に向けて4カ月狛犬中心の生活を送ったのだ。


獅子山狛犬を彫るという事は彫刻石工にとって夢のような話なのである。
私が今回彫ることを許されたのはとても幸運だったと言える訳で獅子山狛犬を彫れる機会は石工の中でも数あることではない。
その狛犬が大山阿夫利神社に収められると言う事は最上の喜びと言えるものです。


この獅子山狛犬の全容を見て頂きたい。下記からどうぞ。

  彫刻石工せいしろーくんのブログ(テーマ・平成獅子山)

 ※ 写真は上記ブログより。この原石が狛犬になって行く過程をご覧下さい。

                                                
2012年92号より