石の里探訪(2) 〜 笏谷石の里・越前紀行 |
〈はじめに〉 かけ足で北陸を旅した。 金沢から福井出て朝倉氏ゆかりの一乗谷、永平寺、福井城趾、丸岡城そして三国を巡った。 笏谷石で作られた石造物をみたかったからである。 |
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〈万能石…笏谷石〉 笏谷石、別名越前青石は福井市足羽山麓で切りだされた凝灰岩である。 現在は採掘が出来ないが、この石の利用の歴史は古く古墳時代の石棺に始まるといわれる。 石質は緻密で柔らかく、水に濡れると緑色になる特色がある。 中世の朝倉時代から万能の石として活用され城の石垣・石瓦・橋脚・石仏・狛犬・生活用品の石臼・分銅・漬物石・敷石など多面的に使われた。 江戸期に入り北前船が運行すると笏谷石の石材・製品は三国湊に集められ日本海沿いの北陸・東北・松前方面に流通した。 笏谷の採石・製品化の背景には古代からつづく「笏谷石工」の存在があったらしい。 |
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〈特色のある笏谷狛犬〉 三国の神社を巡ると狛犬の影が濃い。 笏谷狛犬と浪花狛犬が混在しており、往事の物資の流通を知る上で興味深い。 笏谷狛犬は十六世紀頃から造られたようだが、特色はオカッパ頭とタテ髪のカールにある。 若い女性グループにみせたら“カワイイ”…人気抜群であった。 日本海に沈む夕日は美しかった。 三宅 稜威夫 2006年52号より |