後鳥羽上皇 怒りの狛犬
『われこそは新島守よ隠岐の海の荒き波風心して吹け』後鳥羽上皇
島前の海士町に鎮座する隠岐神社は、後鳥羽上皇没後七百年祭を記念して御火葬塚の隣接地に造営された。

社殿は重厚な隠岐造りで、参道の桜並木は桜の名所として知られる。

桜の木の下で、子連れの大きな狛犬が睨みをきかしている。
日本海側でよく見かける「出雲式」の「かまえ狛犬」である。

ガイドいわく「この狛犬は、承久の乱で配流された後鳥羽天皇が、幕府に対して怒っている姿をうつしたものです」。

なんとなく納得してしまう説明だった。

奉納者は松江市に住む方らしいが不詳である。(隠岐の島巡りにて)


田辺英治  2006年52号より