これはどうだ!のおすすめ狛犬
No.24〜 2007.9

八幡宮の乙女狛犬 〜魅惑! 乙女の洗い髪

八幡宮(栃木県小山市乙女1,032)
先日久しぶりに日光東照宮へ行ってきました。
見るたびに凄いなーと思うのが筑前の黒田長政が元和4年(1618)4月に寄進した大きな石鳥居です。
この鳥居は思川をさかのぼって、小山の
乙女河岸の問屋山中八郎兵衛の尽力で陸揚げされ、人力で日光まで運ばれました。
乙女河岸はかつて徳川家康がいわゆる「小山評定」をした後、軍を関ヶ原に向かわせ、自身は慶長五年(1600)八月四日早朝、舟に乗って江戸へ向かった所としても知られています。
この乙女河岸には3軒の問屋がありました。
上河岸が山中八郎兵衛、中河岸が青木与右衛門、下河岸が青木覚左衛門です。
だが江戸中期から明治にかけては
下河岸の青木覚左衛門の問屋が繁盛したようです。
その覚左衛門が奉納した狛犬が近くの八幡宮と乙女不動尊にあります。
今回紹介するのは八幡宮の狛犬です。
台座には「
文化十癸酉歳(1813)二月吉祥日 青木覚左衛門政卒」と刻字され、石工は古河の弥兵衛です。
狛犬は右の阿形と左の吽形では大きく雰囲気が異なります。
雌雄一対と云った方が良いかと思います。
左の狛犬の
尾は柔らかく織ったように絡んでいます。
後ろに回って見ると
タテガミが背中から腰までのびて乙女の洗い髪を思わせます。
文化年間頃は狛犬は雌雄であると考えられていましたが、造形的にこれだけ違う狛犬は他に類を見ません。
私はこの狛犬をここの地名に因んで
乙女狛犬と呼んでいます。

(写真・文 山田敏春)

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