これはどうだ!のおすすめ狛犬
No.10〜 2006.7

顔が良いので顔だけ盗まれた狛犬

氷川神社(豊島区高田2−2−18)
 狛犬を覗きこんでいると時々声を掛けられて、思わぬ話を聞くことがあります。

 先日も高田の総鎮守である氷川神社の先代狛犬をぐるぐる回りながら見ていると声が掛かりました。「古い狛犬でしょう、文化時代の狛犬ですよ、いいでしょう」と、どうやら神社の向かい側に住んでいる方のようです。
今までいろいろな人に声をかけられましたが
狛犬の奉納年を云った方は初めてです。
そして「この狛犬は空襲に遭ったのです」と云う。確かに全身が火に焙られていて満身創痍の状態です。吽像に至っては顔がありません。

 聞けばこの狛犬は新しい狛犬が奉納(平成2年12月)されるのでここに移されたと云う。
続いて「この狛犬、棄てるのも勿体ないのでここに置いていますが、ここに移されてから一月もしないうちに
顔が盗まれてしまったのですよ」と云う、さらに「きっとこの狛犬の顔が良いので盗まれたんだ」と皆で話し合ったと云う。

 なお盗まれたという狛犬の顔については、liondogさん のホームページの中「新撰東京名所図会の狛犬 VIII 東京西郊の部 127氷川神社」に写真があります。
これを見ると頭頂部は欠けていますが顔はあります。
石の狛犬の顔が切り取れるものかどうかを考えれば、やはり顔の部分にヒビが入って落ちたと考えざるを得ません。だがその顔がどうなったのか?誰かに持って行かれたとすれば、結果的にやはり顔を盗まれたとなるのでしょうか。

(参考)liondogさんから写真をいただきました。こちらをご覧下さい。

建 立
 文化四丁卯年十二月吉日(1807)
石 工
 蕪木熊治郎

(写真・文 山田敏春)

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