9時23分携帯に電話がかかり、課長外へ出る。
11時25分 飯だといって、係の女子職員1名連れて出かける。
13時33分 ケーキを持って戻ってくる。
困った。所長の業務命令には本当に困ってしまった。課長の行動をメモるのはとても辛い。
課長を売る?しかし、どんなに最低最悪の課長でも俺の上司だ。課長と所長のどっちが大事なんだ!
自問しても答えは見つからない。
毎日平気で職務を分投げ、買い物や家業に勤しむ課長を俺が守る必要があるだろうか?ケーキを買って部下をてなづける
るような男を守る必要があるだろうか?
しかし、だとしても権力を傘に暴虐無尽なふるまいをする所長の手先になる必要があるだろうか?
俺は悩みに悩んで、隣のS係長に相談することとした。が、ここで大問題が発生した。
S係長は、常に課長の手下になって行動をともにする。S係長と連絡をとる方法がないのだ。
「そうか!」おれはようやく閃いた。
「もしもし、S係長ですか?」
「はい。」
「山川です。用事があるので、ちょっとエントランスまできてもらえないでしょうか。」
事務所のすぐ近くで公衆電話から事務室に電話している俺がいた。
山川 謙三 45歳 子供の世界で生きてます。
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