「係長は、お茶がいいんですか?コーヒーですか?」
庶務課に異動して唯一良かったのは、朝曲がりなりにも職員がお茶を出してくれることだ。前の職場では朝はセルフ、片付
けもセルフだった。公務員の世界では、こんなところにまで男女共同参画推進法が生きているのです。男女平等万歳ィィィ
ィ!俺はもちろん男女平等は当然だと思っている。しかし!!それを主張するにはルールを守ること、労働者としての義務を
果たすことが当然だろう!権利のみを主張し、義務を果たさないのは単なる権利ダニだ!利権ブタだ!
この課の義務は、女がお茶を出す代わり、男は掃除と昼当番をすることであり、それなりに優れている制度であると思って
いる。
「それじゃお茶をお願いできますか?」
「あのうコーヒー余っているんですが。」
「コーヒーは朝飲んできたから、お茶でいいです。」
「コーヒーが一杯分残っているんです!」
「はい、コーヒーでいいです。」
出されたコーヒーは、朝に出してから2時間程保温してあったようで、しっかりと煮詰まって、飲めたものではなかった。
「ありがとうございます。」
そうか、そうですか。俺に選択権はないんですね。許してください。いらないです。ジョージアの方がよっぽどおいしいです。
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