SPIRIT 16  ティータイム


「係長は、お茶がいいんですか?コーヒーですか?」

庶務課に異動して唯一良かったのは、朝曲がりなりにも職員がお茶を出してくれることだ。前の職場では朝はセルフ、片付

けもセルフだった。公務員の世界では、こんなところにまで男女共同参画推進法が生きているのです。男女平等万歳ィィィ

ィ!俺はもちろん男女平等は当然だと思っている。しかし!!それを主張するにはルールを守ること、労働者としての義務を

果たすことが当然だろう!権利のみを主張し、義務を果たさないのは単なる権利ダニだ!利権ブタだ!

 この課の義務は、女がお茶を出す代わり、男は掃除と昼当番をすることであり、それなりに優れている制度であると思って

いる。

「それじゃお茶をお願いできますか?」

「あのうコーヒー余っているんですが。」

「コーヒーは朝飲んできたから、お茶でいいです。」

「コーヒーが一杯分残っているんです!

「はい、コーヒーでいいです。」

出されたコーヒーは、朝に出してから2時間程保温してあったようで、しっかりと煮詰まって、飲めたものではなかった。

「ありがとうございます。」


そうか、そうですか。俺に選択権はないんですね。許してください。いらないです。ジョージアの方がよっぽどおいしいです。


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