名 人 戦 観 戦 記        (2001年11月29日)

 11月18日、尼崎産業郷土会館において、第39期名人戦挑戦手合い五番勝負の第1局が開催されました。(長い。。)
震災の年(1995年)に河村名人対挑戦者長谷川九段戦が、生田神社会館で行われてから、阪神支部では3回目の名人戦となりました。その時にも『立会人』なるものを務めたのですが、今回、二度目の立会人を体験しました。
 立会人とは、名前の通り対局の『証人』です。まあ、形だけのものですから、地元のベテランの高段者が務めるのが恒例になっています。(連珠は弱くても、なんら差し支えなし)
 具体的には、朝、対局開始の宣言をすれば、後は申し訳ないがヒマです。トラブルが起これば仲裁をしなければなりませんが、私なんかより連珠がうーんと強く、経験も豊富なお二人のことですから、まず問題は起こらないでしょう。記録係の方はトイレに立つのも、交替の人に頼んでおかないとならないので大変ですが。
 私は、時々対局場の様子を見ながら、もっぱら控え室でA田五段らを相手に局面の検討をやっておりました。大盤解説もすることになっていましたが、観戦の方はほとんど高段者ばかりだったので、数人で大盤を囲んで検討する、という形が多かったかな。ギミ−さんは名人戦などそっちのけで、S楽八段を捕まえて対局を挑んでいます。
 他に、鹿児島、金沢から観戦の方も来られました。 
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 では局面の方にも目を向けてみましょう。
仮先黒 挑戦者・長谷川一人九段 白 中村 茂名人  白76にて黒投了(5→7)
 
                                (途中図 白18まで)
 疎星の黒5は、いろんな打ち方ができるため、今世界中で研究対象となっている。世界選手権では9に打たれた局が多かった。
この5は長谷川九段の得意策だが、(ーー;)どうなんでしょう、白がミスをしてくれてもすぐに勝てるという局面にならないので、あまり得な作戦ではないと思う。(特に中村名人のような相手には)
 白6・8・10とほぼノータイムなのは予定の作戦だったのか? 黒13からの構想が難しい。一体どう打っていいものやら、私なんかでは全くわからない。黒の15・17には白18がいかにも急所で、いよいよ難しい。。。
 黒19は下辺に打つのだろうが、このへんはA田五段と二人で(まだ午前中は観戦者も少ない)いろいろ並べて比較していたのだが、どれがいいのやら、またその先の構想も考えておかないと打てないし。。。┐('〜`;)┌ 本譜の黒19では白22がきつく良くないだろうと検討していたのだが。
 白20を見て、「なるほど〜、ここを先に利かせるのか」と感心していたのだが、黒23に対する白24は失敗だったようで、名人も局後に「いやあ、時間があるのに考えずに打ってしまいました」と反省しておられた。黒25・27が機敏な利かしで、白28と下から止めなくてはならないのは痛かった。黒29と先手でここを止めたのは大きい。このへんから観戦者が増えてきたこともあり、「おっ!これで黒が有利になったか!」と控え室も盛り上がってきた。
 T川六段も登場し、「黒31・35と攻めるのはどうでしょう」と、さすがに『攻めのT川』の面目躍如。白も36から反撃に移り、なかなか黒有利にはならないようだ。ただし、黒39では46が良かった、というのがお二人の局後検討の結果であった。この方が下辺での黒に攻め味が残るところだった。
 白は四々禁を狙いながら先手で下辺をつぶし、待望の48に回る。うーん、これでもう黒に勝ちはなくなったかなあ。。。以下は黒の必死の防戦で、黒53・55・57は、私は気付かなかったが、粘りのある受け方だったようだ。しかし、長谷川九段は53で持ち時間210分を使い切り秒読みに入る。しのぎ切れるか!?
 黒63が残念ながら敗着となってしまった。64に打っておけば、上辺中央に白勝ちはなかったようだ。とはいえ秒読みでは仕方ないでしょう。白64が鮮やかな決め手で、黒に受けがなくなり、名人の収束を待つばかりになってしまった。
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 ご両人お疲れ様でした。素晴らしい熱戦を間近で観戦できてよかったです。関西のファンとしては残念な結果に終わりましたが、第2局以降の挑戦者の巻き返しを期待しましょう。


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