初 の シ ー ド 権         (2002年9月20日)
 
 9月14日〜16日、第40期名人戦・挑戦者決定リーグ戦(通称=A級リーグ)が、箱根「太陽山荘」で開催された。長谷川一人九段が9回目(←素晴らしい!)の優勝を果たした。
 今期は、中村茂第39期名人の名人位返上という事件?があり、1位と2位(山口真琴七段)の人が五番勝負を闘い名人位を争うことになった。その影響で4位まで来期のシード権が与えられることになった。そのチャンスを見事に生かし?、4位にすべり込んだ私にシード権が転がり込んできた。
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 初日第1戦は、関西のライバルである高川悌二六段戦となった。最近は、高川さんが京都連珠会を、私が阪神連珠会を引っ張り、若手連珠家の獲得競争をしている。年齢も同じで「この人にだけは。。。」と燃える相手である。

R1 仮先黒:飯尾 白:高川悌二六段 白58にて黒投了(譜は42まで)

 最近は他の白12がよく打たれているが、この瑞星稲妻が解決したとも思えない。昨年の世界選手権戦のメリティvs奈良戦でも、メリティはごまかして勝ったという印象だ。25で26に三を引くのは、中止めされてうまくいかない。Rena掲示板で高川さんは河村さんにやられていたので、こう来そうな予感はあった。
 25が河村さんに教わった手で、26の三引きと右辺での攻めをにらんだ好点だ。27と28の交換は良いとして、29に黒石が来れば31から追い詰め、と読んだのに穴があった。33ではa,bの交換をしてから33に打って受け無し、の予定だったのに、白cと三を引かれると詰まないことに気付いた。29の時に気付いていれば、29を打たずに右辺に打つ手もあったものを。。。
 悩んだ末に33と打って攻めさせたが、見事に追い詰められてしまった。33のような手を打ってるんじゃあ、ここでは勝てない。
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 2回戦では、「どう打っても勝ち」という楽観から、簡単な追い詰めを逃した上に、相手の四追いを見落としてしまった。
 3回戦は初出場の岡部君(高校2年生!)と当たり、「今年勝っておかないと、一生勝てないかもしれないなァ」と思いながら、定型を打って連敗しているものだから、思い切って五珠で変化した。力戦を制してやっと1勝。
 しかし、スタートの連敗は精神的に大きな負担になったのは確かである。

 2日目は強敵が続く。磯部九段には18年前の初出場時に完敗している。瑞星からメリティの真似でなんとかしのぎ、白にもチャンスはあったが、決定的な局面にはならず、100手で満局引き分け。
 ここで電池が切れてしまった。午後はしんどくて考えられなくなり、長谷川、山口戦は、粘る気力もなく、なすすべもなく完敗で、6回戦が夕食前に終わってしまった。相手が相手だけに粘っても勝てない公算が大だが、ひどい連珠を打って、成績も1勝4敗1分の8位に後退。夕食後はすぐに風呂に入って、ビール飲んで、8時にはフテ寝した。。。

 Cyranoさんに「声もかけづらかった」と言わせたのはこのあたり。
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 十分寝て最終日を迎える。9位、10位の人との対戦があり、好調だったら「いただき」と思う所だが、「最低どちらか勝たないと最下位だなぁ」と、星取り表を眺めながらため息をつく。
 7R、負けたら同率最下位に落ちるという1戦。長谷川さんに疎星を打たれた時は白を持ったが、「黒を持って攻めて攻めて玉砕しよう!」と黒をとる。白8で変化されたが、昨年の西村vs松浦戦の後、久富さんと少し研究していたので、「普通の形に戻したんじゃぁ面白くない。黒が勝てるはずだ」と長考する。

 これを完勝して、最下位を逃れ、大分気分は楽になった。しかし、3連勝してやっと五割だから、まず無理だろうと思っていた。8R開始前、高川さんに「久富さんには絶対勝つからシードをとって下さい」と言ったのは、外交辞令ではなく本音だった。関西に一つシードを持ち帰るため、高川さんのアシストに回ろうと思った。久富さんには一昨年、昨年と連敗していたが、相手の不慣れな策戦に持ち込んで完勝。ところが。。。高川さんが負けてしまった。。。。

 最終戦は「ここまで来たら、何としても勝って五割にする!」という意気込みで臨む。しかも夕食前に、高川さんと磯部さんが早々に敗退。あと、5勝の可能性があるのは岡部君だけだが、優勝のかかった長谷川さんとの対局だ。その2局が夕食後の7時に並んで開始された。
 またしても、仮後なのに疎星黒番をとる。「攻めるんだぁ〜〜」 そして、攻め倒して勝利! 3連勝だ! よくやった自分!
ほぼ同時に長谷川さんが勝って優勝を決め、4位決定戦が行われることになった。
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4位決定戦 黒:飯尾 仮先白:磯部泰山九段 黒33にて白投了

 午後11時に始まった本局。夜中によくネットで打っている私と、早寝早起きの御老体、のハンディはあるが、相手は元大名人で、しかも勝ったことのない人だ。松月を指定されて、白の策戦はほとんど持ち合わせていないので黒をとる。普通に打って長引かせて体力勝ちを狙う、という姑息な手もあるが、この日は攻め倒して3連勝してきたということもあり、激しい打ち方を選んでしまった。。。なんでこんな乾坤一擲の打ち方をしたかは、その場の精神状態なので、今となっては謎である。しかし、それもいい方に出たのだから、この日は全て『私を中心に太陽が回っていた』としか思えない(爆笑)
 この5・7は私の秘策中の秘策。こうして公開されたから書くが、掲示板の「連珠日記」に書いた、中村名人に勝った策がこれである。ただしスウェーデンではタイムラ坊やにやられているが。。。
 磯部さんは8〜10で簡単に白勝ちと勘違いされたのかもしれない。8をすぐに打った後10で考えられたから。それも私にはラッキーで、ここからの黒の追い詰めを昔研究したことがある。13と17のどちらから引くのか忘れたので10分ぐらい考えた。考えるうち「そうだ!19のミセ手を打つんだった」と思い出し、そこからの追い詰めを必死に考える。一人で研究した手順にはよく漏れがあり、それを恐れながら慎重に慎重に。。。
 23からは何回も確認した。「磯部さんに勝てるゾ!」「シードがとれるゾ!」という喜びを押さえながら。そして、黒33で白投了。「シードだぁぁぁ〜〜!(でも私なんかでホンマにエエんやろうな?)
 
 試合後に速報のチャットを見せてもらったら、柏原さん、河村さん、うぃる君、波留らん君らの関西の人たちの名前があった。チャットに参加していなくても、かなりの人が私を応援してくれていたようだ。あらためてお礼申し上げます。
 そして、最終日だけでも、私を応援して下さった方たちに喜んでもらえてよかった。(^^)v

 私レベルの選手には、シードというのはメチャメチャ嬉しいことだ。予戦を勝ち抜かなくても、来年もあそこへ行ける、全国の強豪の方たちと、どっぷりと連珠三昧の3日間が送れる。ただしボヤボヤしているとまるで勝てないのも、ここの恐い所である。私も50歳が近づいてきたし、さらに体力と精神力を鍛えて、来年は3日間をフル回転できる状態に仕上げて行かないと、と思っている。
  
 
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