連 珠 小 噺 7
    氏 家 お さ る・作


【31 いやいや、誰しも通る道です】

A:あら、また見落とした。おかしいなぁ、ノリ手になぜ気がつかなかったんだろう。

B:そうだよな。自分の石は読めるのに、相手の石は読めないんだよなぁ。

C:考え方を変えなよ。そういう時は相手になったつもりで読むんだよ。

A:なるほど、そいつはいい案だ。今度からそうしてみるよ。

――しばらくして――

A:おい、また負けたよ。

B:あれ?いいアドバイスを聞いたのに効果はなしかい?

A:それが、相手の立場で読んだら、今度は自分のノリ手を見落としたんだ。

C:君、ひょっとしてものすごく弱くない?



【32 変な特徴】

(記者会見場で)

記者:するとあなたは、誘拐されて監禁されていた時、目隠しをされて手足を縛られていたんですね。

U嬢:はい、そうです。

記者:つらくはなかったですか?

U嬢:いいえ、全然。

記者:本当ですか?何か犯人の特徴とか覚えていますか?

U嬢:そうですね、連珠が弱い人でした。

記者:え?なぜわかるんですか?

U嬢:ええ、監禁されていた間、ずーっと目隠し連珠をしていたんです。



【33 聞いたことあるような・・】

A:ねぇ君、Iさんの伝説の連珠盤「中央がへこんでいる板、見たことあるかい?」

B:まだまだ甘いね。僕が知ってるIさんは「盤端の線が消えている板」を持っているそうだよ。もっとも彼は「盤端の魔術師」と呼ばれているけどね。



【34 本当に公平?】

A:先のR地区の大会、優勝決定戦が激戦だったらしいね。

B:そうなんだ。何でもPさんとQさんが同率1位で決定戦になったんだけど、仮先仮後の決定でもめてね。有利不利があるじゃないかと。

A:確かに、厳密に言えば互角というのはありえないからね。で、どうなったんだい?

B:そこで、仮先仮後を決めるための試合をしようということになり、そうするとその試合の仮先仮後も不公平ということで、またそれを決めるための試合を…という感じで、合計10局もやることになったらしいんだ。

A:何か馬鹿げてるけど、結局どっちが勝ったんだい?

B:Pさんが最初9連勝したんだけど、最後の本番はQさんが勝ち、結局Qさんの優勝さ。

A:う〜ん、9勝1敗で負けなのかい。お疲れさまだね。



【35 ひょっとしたら勝てるかも】

A:とうとう人間に勝つコンピューターが現れたらしいね。知ってるかい?

B:ああ、何でも対戦相手の性格まで分析して特徴を掴むらしいね。

A:でもそのために質問項目が千個以上あってその人の運勢が低下するまでやらないそうだって。


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