読 書 日 記(16) 壬 生 義 士 伝

  『壬生義士伝』 上・下  浅田次郎  文春文庫 各590円
 
 どんなに優秀でも、身分の低い家に生まれると出世がかなわなかった江戸時代末期。
東北・南部藩を脱藩し、壬生浪(みぶろ)と呼ばれた新撰組に入隊した『吉村貫一郎』
「人斬り貫一」と恐れられ、妻子への仕送りのため守銭奴と蔑まれても、飢えた者には握り飯を施す男。
武士としての矜りは死ぬまで捨てなかった。

 元新撰組隊士や教え子が語る非業の隊士の生涯。

   「おのれらは貧と賎とを悪と呼ばわるか。
    富と貴とを、善なりと唱えなさるのか。
    ならばわしは矜り(ほこり)高き貧と賎とのために戦い申す。
    断じて、一歩も退き申さぬ。」
 
                          (2003 2/21)

読 書 日 記(17) 翼 cry for the moon

  『 翼 』   村山由佳  集英社文庫 762円

 幼い頃に父が自殺、帰国子女として学校で苛められ、母には徹底的に拒まれ。。。。N.Y.大学の学生、篠崎真冬は心に深い傷を抱えて生きてきた。恋人ラリーの幼い息子ティムも、実の母親から虐待を受けて育った子供だった。

 自分の居場所を求めて模索し、幸せを掴みかけたその時、真冬にさらなる過酷な運命が襲いかかる。

 舞台は広大なアリゾナの地へ。傷ついた魂は再び羽ばたくことができるのか。

                         (2003 2/22)
 
読 書 日 記(18) シ ェ エ ラ ザ ー ド

  『シェエラザード』 上・下  浅田次郎  講談社文庫 各619円

 昭和20年、嵐の台湾沖で、2300人の命と膨大な量の金塊を積んだまま沈んだ弥勒丸。
その引き揚げ話を持ち込まれた者たちが、次々と不審な死を遂げていく。。。

 いったいこの船の本当の正体は何なのか。それを追求するために喪われた恋人たちの、過去を辿る冒険が始まった。

 謎の老人は五十余年の沈黙を破り、悲劇の真相を語り始めた。
私たち日本人が戦後の平和と繁栄のうちに葬り去った真実が、次第に明るみに出る。
美しく、物悲しい「シェエラザード」の調べとともに蘇る。

 戦後半世紀にわたる大叙事詩。日本人の尊厳を問う感動巨編。

 いやあ「泣かせの次郎」はうまいですねぇ。
                        (2003 2/22)
読 書 日 記(19)  屍  鬼

 『 屍 鬼(しき)』 全5巻  小野不由美  新潮文庫 590円〜743円

 人口わずか1300、三方を尾根に囲まれ、未だ古い因習と同衾する外場村。
高台に洋館が建ち、深夜に引っ越してきた住人は村人の前に姿を現わさない。
その頃から原因不明の病死が村に相次いだ。

 新種の伝染病なのか? それとも他の原因なのか?
村の中枢を担う医師と僧侶が、必死になって原因を解明しようとするが、病死する村人の数は増加の一途をたどる。

 昔ながらの土葬を続けている村では、死体が起きあがって、生きている人を引いていくものを「屍鬼」と呼ぶ言い伝えがあるが、果たしてそんなことが!!??

 分厚い本が5巻もあるのに、こんなに早く読んでしまった本は久しぶりでした。恐いことは恐いのですが、夜中にトイレに行けなくなるような得体の知れないものに対する恐怖とはちょっと違います。後半では屍鬼が登場しますが、 

 「どうしてなの?わたし、悪いことなんかしてない。食事をしただけなの。食べないと飢えて死んでしまうんだもの。そうしなかったらいけないの?飢えて死ななかったから、わたしが悪者なの?答えてよ、室井さん」
 
 と、悩みながら人を襲う屍鬼の葛藤までも描いていきます。 
第1巻は村の描写が細かく続いて、ちょっとたいくつでしたが、2巻からは「早く続きを読みたい!」と、思うこと請け合いです。
                        (2003 3/12)

読 書 日 記(20)  十 二 国 記 シ リ ー ズ

 『 月 の 影 影 の 海 』 上下 小野不由美  講談社文庫/講談社X文庫 各530円

03年4月からNHK教育テレビで、毎週火曜日7:00〜7:25アニメ放映中
公式ホームページは  
http://www.12kokuki.com/

 「あなたは私の主、お迎えに参りました」 学校に、ケイキと名乗る男が突然現れて、陽子を連れ去った。海に映る月の光をくぐりぬけ、辿りついた所は地図にない国。そして、ここで陽子を待ち受けていたのは、のどかな風景とは裏腹に、闇から躍り出る異形の獣たちとの戦いだった。
 「なぜ、あたしをここに連れてきたの?」
陽子を異界へ喚んだのは誰なのか?帰るあてもない陽子の孤独な旅が、いま始まった。 

十二国記シリーズは、講談社文庫で全9巻。陽子の冒険だけでなく、異界の12の国々の物語は、読み出したら止まらない!!
                        (2003 4/28)

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