読 書 日 記(5) 魔 法 飛 行

「魔法飛行」  加納朋子  創元推理文庫   560円

 これを読むには、同じく創元推理文庫から出ている「ななつのこ」を、まず読んで下さい。話が続いています。

 短大生、入江駒子は、身近な出来事を小説にして、あこがれの人に読んでもらうと、講評とともに謎に終わっていた部分の謎解きをしてくれる。ミステリー仕立ての青春小説といった所か。
 もうひとつ、うまく説明できてませんが、ちょっと変わった怖くないミステリーです。

 連作の短編集(上記どちらの本も)なのですが、最後に「へえ〜こういう仕掛けになっていたのか!」と小さいドンデン返しもあって、なかなかのもんです。

 「ななつのこ」の方は、入江駒子が『ななつのこ』という本に感動して、作者にファンレターを出すのだが、そのとき身近で起こった「スイカジュース事件」のことも書き添えると、それに対する謎解きが返信されてくる、という内容です。(これも連作短編)

 2冊の本はその構成こそ似ているが、まるで設定が異なるように見えるでしょ?さて、どうつながっているのでしょう?

 次は「掌(て)の中の小鳥」を買ってこなくっちゃ。^-^ 
                           (2001 6/15)

読書日記(6) 掌の中の小鳥 

 「掌(て)の中の小鳥」  加納朋子  創元推理文庫  540円

  前回の最後に書いた本作品も読みました。加納さん、どんどんうまくなっていってます。(^-^)

 「手の中に一羽の小鳥を隠し持って行って、賢者にこう言うんだ。『手の中の小鳥は生きているか、死んでいるか?』って。もし賢者が『生きている』と答えれば、子供は小鳥を握り潰す。『死んでいる』と答えれば、小鳥は次の瞬間には空高く舞い上がるってわけさ」

 今度はミステリー仕立てのラブストーリーです。と言っても、殺人事件がおこるようなミステリーではなく、どろどろの愛憎劇のラブストーリーでもなく、身近な日常の事件の謎解きをしていく、『ウィットに富んだ会話を楽しむ高尚な恋愛』という所でしょうか。

 さわやかな読後感を得られる、加納氏の作品は4冊読みましたが、ファンになりつつあります。
「武史は太陽を西ではなく東へ沈めてみせたのだ」 「嘘は彼女にとって夢と同義語だった」 
ね、気になるでしょ?
                           (2001 6/25)

読書日記(7) 彼女の朝(おいしいコーヒーのいれ方3)

 彼女の朝(おいしいコーヒーのいれ方3)  村山由佳  集英社文庫 381円

 「おいしいコーヒーのいれ方」シリーズも3作目となりました。『しょーり』と『かれん』の恋の行方がますます気になるところです。

 BOOKナビには、まだ書いていませんが、村山由佳の小説は面白い!読者へのサービスに徹しているから。
中高生には是非ともお薦めです。
                                (2001 6/28)

読書日記(8)    旅 涯 て の 地

 旅涯ての地(たびはてのち)  板東眞砂子 角川文庫 上下2巻 各571円

 13世紀のイタリア、元王朝への使いからマルコ・ポーロ一族がヴェネチアに帰国。その中に、中国と日本の血を引く奴隷の「夏桂」がいた。密貿易に失敗した彼は、捕らえられて奴隷に身を堕としていた。
 その運命は、偶然手にした一枚のイコンによって大きく変転する。

 イコンは、当時邪教と呼ばれたキリスト教・異端カタリ派の所有するものであり、それはキリストの「聖杯」でもあった。

 板東眞砂子は、「死国」「狗神」など日本の伝承ホラーを多く書いているが、こんどはヨーロッパものである。
 世界史も宗教も苦手な私が読んでも、よく分かったし、どんどん引き込まれてしまいました。

 宗教とは、神とは何? たいそうに構えなくても、自然に考えさせてくれます。 ぜひぜひ、御一読を!  
                                  (2001 8/6)

読書日記(9)  プ リ ズ ン ホ テ ル

 プリズンホテル1夏   浅田次郎  集英社文庫    552円 
 プリズンホテル2秋    〃      〃      724円

 私の好きな浅田次郎です。テレビドラマ化されましたね。

 極道小説で売れっ子になった作家・木戸孝之介のたった一人の身内で、ヤクザの大親分でもある叔父の仲蔵が温泉リゾートホテルのオーナーになった。しかし、そのホテルはなんと仁侠団体専用。人はそれを「プリズン(監獄)ホテル」と呼ぶ。不思議な宿に集う奇妙な人々がくりひろげる、笑いと涙のスペシャルツアー!

 2の中の一節、
「立派な絵描きになれってか。そうだ、頑張れ。おまえはもしかしたら天才かもしれない」
「てんさい、って?」
「才能を信じ続ける才能のことだよ」

 いい言葉ですねえ、しびれちゃいました。><。。

 あんまり女性向けではないんですが。。。極道って何?ヤクザって悪いことしかしないんでしょ?という偏見をお持ちの人は、是非ご一読を。
                          (2001 9/11)

読書日記(10)  上 と 外
恩田 陸(六番目の小夜子(新潮文庫)を書いた人)の
「上と外」(幻冬舎文庫)が面白かった!
 
 六巻もあるが、1冊平均、176ページ、432円と各巻は薄いので、
あっという間に読んでしまいました。
 
 中学2年のレンは両親が離婚して、父は考古学者としてアメリカの大学へ
単身赴任中なので、町工場を経営する祖父と、従兄弟たちと住んでいる。
妹のチカコは、キャリアウーマンだが恋多き女である母と住んでいる。
 
 4人は年に一度集まって旅行に行くのだが、今回は南米のG国へ。
ところが一家(元一家?)はクーデターに巻き込まれてしまうが、
そのクーデターが、ただのそれではなかった。
 
 しかもジャングルに取り残された兄妹は、マヤ文明の遺跡に出会い、
古来の「儀式」を復活させようとするグループに捕らえられ、、、
 
 その儀式の正体は? クーデターの行く末は?
両親とはぐれた兄妹は無事救出されるのか?
 
 アクション映画のようなテンポよい展開!
どきどき、はらはら、の連続!
六巻があっという間に終わってしまいました。
                   (2001 10/30)
 
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