第8回 世 界 選 手 権 Q T(現地予選)


 大会に先立って、7月29日〜31日にまずQTが開催された。ストックホルムで1泊、ヴァヅティナで1泊したので、時差ボケは感じずに試合に臨むことができた。さらに、1回戦は日本の三森九段との対戦だったので、さほど緊張せずに試合に入っていくことができたのも大きかった。3回戦で山口名人と当たってしまい、「まあ、ここは負けても仕方ない」と気楽に打てた。名人の方が2回戦で不覚をとっていたので、力が入っていたように感じた。これを引き分けたのが大きかった。4〜5回戦を完勝!で2日目を終わる。この時点で上位5人に入っていることを初めて意識する。ここまでは、「ATに進むのはまず無理だろうけど、自分の力がどこまで通じるのか試してみよう」とだけ考えて、盤と石に集中することができたと思う。

 3日目R6、勝ち点4で並ぶアゼルバイジャンのニザミ・エイバトフとの対戦。彼は第7回大会でもQT6位と惜しくもATを逃している。またBTで草島六段との満局になった局を見ていたが、力的には同格と見ていた。年齢不肖のおっちゃんだが(某氏いわく、「12年前から同じ顔をしている(笑)」)「若くはなさそうなので急に強くなることもあるまい」とも思っていた。
 となると勝たねばならない1局。疎星を打ってきたので白をとる。R2〜R7を連続して白番で打ったが、それで負け無しだったと言うことは、今期は白番での守りが冴えていたようだ。黒13を見たことのない手を打たれたが、守り一方にならないように気をつけながら慎重に進める。相手が無理な打ち方をしてきたので、白の完封ペースになってきた。尚更負けるわけにはいかない形勢になり、見落としをしないように慎重に、慎重に。。。
 対局開始からず〜っと手が震えていた。大きな一番で、対局直後にそうなることはたまにあったが、たいていは始まって局面に没頭すれば自然に収まるものであった。ところがこの局だけは手の震えが止まらない。頭の中では「QT2ワクを日本が確保」という見出しと、なぜか日の丸がよぎっていた。「国の代表」という経験のなかったプレッシャーがのしかかる。
 四々禁が見えて、ようやく手の震えが止まっていたように思う。

 最終戦は「負けてもタイブレイクは有利です」との岡部さんの計算を聞いていたので、割と気楽に打つことができた。相手のスシュコフも負けて落選したら大変なので、27手でのテクニカルドローとなり、AT進出を決めた。

 1位となったのは全くの偶然だが、私の名前が一番上にある対戦表が控え室に貼り出されたのは嬉しかった。

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順位  氏 名  国 R1 R2 R3 R4 R5 R6 R7 勝ち点 TBP
飯尾 義弘 日本 20○ 14△ 2△ 11○ 15○ 7○ 3△ 5.5 28
山口 真琴 日本 16○ 9● 1△ 21○ 17○ 10○ 4○ 5.5 27
V. Sushukov ロシア 24○ 17○ 8● 5○ 20○ 4○ 1△ 5.5 26.5
S. Karlsson SWE 22○ 5○ 9○ 8○ 7○ 3● 2● 30
J. Gaulitz SWE 21○ 4● 14○ 3● 25○ 8○ 7○ 26
Y. Tarannikv ロシア 8● 20● 24○ 18○ 12○ 9○ 10○ 23
N. Heibatov AZE 12○ 18○ 10○ 13○ 4● 1● 5● 30.5
長尾 紀昭 日本 6○ 24○ 3○ 4● 10● 5● 13○ 30
Chen Ko Han 台湾 19○ 2○ 4● 15● 11○ 6● 16○ 28.5
10 P. Makarov ロシア 11○ 15○ 7● 17○ 8○ 2● 6● 28.5
11 Chen Yi Feng 台湾 10● 12○ 16○ 1● 9● 17○ 18○ 26.5
12 P. Gardstrom SWE 7● 11● 19○ 22○ 6● 20○ 15○ 23.5
13 M. pellikka FIN 14● 19○ 26○ 7● 16○ 15○ 8● 21.5
14 M. Karasyov ロシア 13○ 1△ 5● 20● 21○ 16● 22○ 3.5 24.5
15 石谷 信一 日本 23○ 10● 18○ 9○ 1● 13● 12● 26.5
16 J. Lents EST 2● 25○ 11● 23○ 13● 14○ 9● 24.5
17 T. Ilu EST 26○ 3● 22○ 10● 2● 11● 20○ 24.5
18 Lu Wei Yuan 台湾 25○ 7● 15● 6● 22○ 19○ 11● 22.5
19 阪本 崇山 日本 9● 13● 12● 24○ 23○ 18● 25○ 20
20 三森 政男 日本 1● 6○ 21△ 14○ 3● 12● 17● 2.5 29
21 E. Dzaynukov AZE 5● 23○ 20△ 2● 14● 22● 26○ 2.5 21.5
22 久保 出美 日本 4● 26○ 17● 12● 18● 21○ 14● 22
23 A. Pelikan チェコ 15● 21● 25○ 16● 19● 26● 24○ 15.5
24 A. Rybka チェコ 3● 8● 6● 19● 26○ 25△ 23● 1.5 22
25 A. Yakovleva UKR 18● 16● 23● 26○ 5● 24△ 19● 1.5 18.5
26 P. Neuman チェコ 17● 22● 13● 25● 24● 23○ 21● 16.5
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