よかったね! 札幌!

NTTリストラ裁判 7地裁の先陣を切って
札幌地裁で勝利判決!
「配転は人事権の乱用」と断罪!

 9月29日札幌地裁で、笠井勝彦裁判長は「配転はいずれも権利(人事権)の乱用であり違法」として配転の違法性を認め、同社に慰謝料計3百万円を支払うよう命じた。
 札幌地裁判決は、全国7地裁の「NTTリストラ裁判」の中で名古屋地裁での和解を除き、地裁判決の先頭を切るものであり、注目を集めていました。奥村過労死裁判の勝利に続く勝利は後に続く各地裁での闘いに勇気を与えるものです。

声   明

1、本日、札幌地方裁判所民事5部は、NTTリストラ北海道訴訟について、原告全面勝訴の判決を言い渡した。

2、NTTが2002年5月に行った11万人リストラの違法性を直接問う裁判であり、現在、札幌、東京、静岡、大阪、松山の5地裁でたたかわれている。NTTの11万人リストラとは、韓国の国家予算(7兆円)を上回る内部留保約8兆円、グループ従業員約20万人という巨大企業NTTが利益の極大化のみを求めて、(1)51歳になった社員をすべて退職させ、NTT東・西日本会社が新たに100%出資でつくった地域新会社(OS会社)に15〜30%の賃金ダウン(北海道の場合は30%)で再雇用し、(2)退職に応じない者は、今までのキャリアや技術と本人や家族の生活も無視した異職種・遠隔地配転を行ったものである。かかるNTTリストラにおいて、NTTを「退職しない」ために、みせしめとして行われた異職種・遠隔地配転を受けた労働者が、その配転の違法性を問うた裁判がNTTリストラ訴訟である。
 本日の札幌地裁の判決は、上記の5地裁の中で、最初に出されたものである。

3、本日の判決は、原告全員について、業務上の必要性がない配転であったことを明確に認めた。このことは、本件11万人リストラにともなって行われた「満了型とみなされた」労働者の全ての配転について、その業務上の必要性がないことを裁判所が認めたことにほかならない。
 さらに、裁判所は、本件の原告5人の配転がみせしめであるとの認定まではしなかったものの、原告全員の配転を無効としたことは、本件配転が11万人リストラを強行するためのみせしめであったと評価したことにほかならない。
 その意味で、本日の判決は、11万人リストラそのものを断罪するものであり、正に画期的な判決である。

4、来春までに他の4地裁の判決が出されることになるが、われわれは、他の4地裁においても、NTTの11万人リストラを断罪する判決が出されるものと確信する。
 われわれは、NTTに対し、本日の判決を真摯に受け止め、控訴をせずに、直ちに、実質「50歳」定年制である「退職・賃下げ再雇用」制度を止めることを強く要求する。
 われわれは、20万人に及ぶNTTグループ労働者全員の労働条件の改善のために、今後とも、たたかう所存である。
  
2006(平成18)年9月29日
NTTリストラ北海道訴訟原告団
NTTリストラ北海道訴訟弁護団
通 信 産 業 労 働 組 合

判決要旨

 配転命令が権利の乱用であるとして、被告(東日本電信電話会社)に対する原告ら5名(被告の従業員及び元従業員)の慰謝料請求の一部(4名につき50万円、1名につき100万円)が容認された。

1 本件配転命令は、被告の構造改革等に基づき、固定電話に関する業務等を外注委託化することに伴い、従業員の雇用形態及び処遇体系の見直しの一環として行われたものであるが、そのような計画の策定等は、被告の経営判断に基づくものであり、これが不合理であったとか、不必要であったとはいえない。
2 しかし、原告らに対する個別の配転命令は、いずれも業務上の必要性がないのに、又は、配転障害事  
 由(親の介護の必要性等)があるのに行われたものであり、違法であって、原告らに対する不法行為が成立する。
3 原告らに対する慰謝料額は、その個別事情等も考慮して、50万円ないし100万円が相当である。
                                                  
                                                   以上