静岡地裁裁判速報!<静岡支部>

「NTTリストラ裁判 第9回静岡地裁口頭弁論」

NTTリストラ裁判第9回口頭弁論が、7月16日午後2時から静岡地裁で開かれました。

一 冒頭、原告が提出した準備書面(6)の要旨説明が約30分にわたって原告代理人中川弁護士によって行われました。この準備書面は、これまで原告が述べてきた主張の総論的部分を「労働のルール」・「『構造改革リストラ』と配転の構造的特徴」の2つについてまとめたものです。

「労働のルール」の骨子は、日本の社会が到達した「労働ルール」を踏まえながら、NTTリストラがいかに不当なものかを指弾したもので、

1 憲法上のルール

2 基本的実定法上のルール(労基法・労組法・民法)

3 特別法上のルール(育児介護休業法・労働安全衛生法・高年齢者等雇用安定法・労働契約継承法)

4 判例法上のルール(解雇整理の4要件・労働条件の不利益変更)

5 批准した国際条約上のルール(ILO156号条約・国連人権規約)

の5つの視点からNTTの50歳定年制がいかに不合理なものかを述べています。

「構造的リストラ」では「NTT構造改革リストラ」から原告らの配転に至るまでの経過を克明に検証しつつ、「労働のルール」との関係で、この配転が違法・脱法にまみれた反社会的なものであるかを指摘しています。

二 裁判所側から、7月17日に提示された「主張整理案」についての取り扱いについて、

原告・被告側双方に意見が求められました。

この主張整理案は、前回の口頭弁論の際裁判所側から「双方の主張の違いが大きいので、裁判所が主張の整理をし、それにそって今後の方向を決めて行きたい」と提案されていたものです。形式としては論点を裁判所が提示し、原告側・被告双方が主張を書き込んでいく形になっていますが、今回提示されたものは原告の主張の論点として裁判所が整理したもので、被告の主張を書き込むようになっているものです。

原告側は「昨日いただいたばかりで十分な検討もでいきていませんが、おおむね基本点については拾えているという印象ですので、これについての被告の意見を提出されたい」とのべ、被告は「大きな論点で原告が変更がないというなら、了解するが」と述べました。若干のやり取りの後裁判所側が「原告の意見をいただいた上で」と、とりまとめ閉廷となりました。

次回口頭弁論は10月1日16時からとなっています。

閉廷後弁護士会館で開かれた報告集会では、

弁護団から「主張整理案」にかんする説明が行われました。また6月の全国弁護団会議の席上「2006年の春ないしは6月ころを目途に判決を出させたい」という検討がなされたことが報告されました。

NTTリストラ裁判支援静岡県共闘会議議長、5月に不当判決をうけ東京高裁へ上告中の富士カラーの仲間、通信労組愛知支部委員長、NTTリストラ裁判愛知原告団からそれぞれ連帯の挨拶をいただきました。

猛暑の中傍聴席いっぱいのみなさんが支援にかけつけて下さっています。こうした連帯にこたえて、私たちもさらに努力をしなければと感じました。

 なお準備書面(6)については、急ぎPDF化する予定です。ご希望の方はご連絡ください。出来上がり次第メールにてお送りします。



NTT浜松「けいわん」賃金支払い等請求裁判


澤根・米山さんの二人後控訴している「賃金支払い等請求裁判」が開かれました。

前回被告NTTは、あろうことか「休業補償給付申請をしなかった原告の不備が原因」と言いがかりをつけましたが、それに対する反論「原告第2準備書面」を提出しました。

裁判所は「できる限り早い段階で和解の打診をしたい」とのべ、さらに「本日は和解の打診の打診をしたい」とのべ、原告・被告双方にたいし、個別に説明・意見聴取を行いました。

原告側への説明では「いつからという時期の問題はあるが、ある程度さかのぼって『公傷である』と認定したいと説明、さらに平成11年4月以降は問題ないが、いつまで時期をさかのぼれるかということになる。これ以前が「私傷病届け」になっているという事も無視は出来ません」「いつからという時期の問題について(正確を期すということでは)証拠調べも場合によっては必要になります。ただしその場合は長期化することが考えられます。

控訴されているお二人以外にも鈴木さんのこともあります。ある程度飲み込んで和解に応じる意思はないかどうかNTT側にも打診をしました。被告側弁護士は「突然の提案なので会社側と相談して返事します。」と回答しています。

裁判所としては従業員と会社との間のルールを作るという視点で和解を勧めたいと考えています。譲れる範囲はどこまでなのかを考えてほしいと説明しました。

個別説明の後再度合議に入り、今回提出した原告準備書面に対する被告側反論を8月27日までに提出することを確認。次回公判を9月15日16:00からときめ閉廷しました。

本日の裁判所側の説明によって、すくなくとも平成11年4月以降については「賃金差別」を認めるという裁判所の意向が示されたものと考えられますが、米山さんの発症は平成6年2月24日、沢根さんの発症が平成8年7月23日と労基署長で認定されている事実をどうみるのか、ということが、争点の1つになってくるという印象を受けました。


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