五
『俺の生き様っていうか旧会長の生き様』
人はどこまで信念を貫き通せるのか。
自分のために、愛する誰かのために、男には戦わねばならぬ事がある。
そして、彼、旧会長は自分のために戦う事を決意した。
序章
旧会長『「俺、禁煙するわ」
俺「ふーん」
喫煙を固く誓った旧会長。
旧会長「1本吸うたびに謙ちゃん(僕)に100円あげるわ」
俺「え、まじで?」
旧会長「マジマジ」
その意志を確かめるかのごとく、彼に一箱のタバコをあげた。
そして、彼の喫煙生活が始まった。
本章
旧会長「ねえ、謙ちゃん(くどいようだが僕)」
俺「「なんだい」
旧会長「1本吸うたびに100円はやめにしない?」
俺「え?なんで?自分で言ったじゃん」
旧会長「だからさ、タバコ吸いたいんだよ」
俺「ふーん」
旧会長「ダメ?」
俺「じゃあ、そうだな、うまい棒100本食べきったらOKっていうのは?」
旧会長「え?」
俺「なんか嫌いな味は?」
旧会長「チーズ」
俺「・・・じゃあ、納豆味を制限時間内に100本食べれたら約束はチャラにしてやろう」
旧会長「わかった」
彼は戦う事を決意した。
自分のために、そしてネタ人生を歩むために。
決戦当日。
タカと旧会長が必死でうまい棒納豆味を100本用意した。

100本組み立てられた図。
きたるべき災いの塔、バベルの前哨戦か。
俺「制限時間は、昼休みの残り時間(25分)含め3講義(90分)が終わるまでだ。」
旧会長「ちょっとまって、水買ってくる」
そして、擬似バベルへの挑戦が始まった。
テンポ良く25本を食べる。
残り時間約90分。
これ以降は徐々にテンポが落ちていく。
その頃の僕はというと、外でライトセーバー戦をやってた。

ライトセーバー戦を幾度と繰り返しているとある程度進んでいた。
そして、彼は50本の半分を食べる事に成功した。
タカ「やったじゃん、後半分だよ」
旧会長「まだ半分あるじゃん・・・」
そして彼は・・・
旧会長「もう・・・無理だ」
その言葉で終わりを告げると同時に、
ほんの少しだけ冷たい風が頬を伝わっていた。
だが、この男を誰が責める事ができようか。
うまい棒納豆味を食べてみればわかると思う。
50本を食べる事がどれだけ辛い事かを・・・。
だが、無情にも約束は約束なので彼はタバコを吸ったら俺に金を払わないといけない。
無様にも崩れ去った擬似バベル。
人間の傲慢さを怒り心配した神は、裁きを与えた。
人は、またも神を超えることができなかった。
俺「ところで、この残りはどうするのだ?」

↑
残り。
皆の沈黙が続いた。
譲り合い、いや擦り付け合いで誰も食べる事は無かったが
タカが勢い良く食べ始めた。
そして、我とばかりに1本ずつ手にする皆。
あ、僕は食べませんでしたけどね^^
だって納豆あまり好きじゃないし・・・。
そんなこんなで数は30本まで減った。
俺「・・・1人だけコレを引き取ってくれる人がいる」
皆でメッセージカードを書いた。
どんな内容だったかだなんて野暮な事は聞かないでくれ。
僕達の友情はどんな事があっても砕けはしない。
そう信じている。

そんなわけで、彼の家の扉にかけておいた。
きっと届くはず。
僕達の想い、友情の証。
メッセージよ届け、ど真ん中に届け。
終章
俺「感想とか聞かせてもらえるかい?」
旧会長「本当の事と言うと・・・」
俺「うん」
旧会長「2本目を食べた時点で無理だってわかってたんだよね」
俺「それでも食べたんだ」
旧会長「1本目を食べ終わったら歯茎にうまい棒のカスがついててさ・・・」
俺「・・・」
旧会長「それなのに皆急かすからさ口の中全体にカスが・・・」
俺「・・・」
俺「これから先、うまい棒を食べたい?」
旧会長「1週間ぐらい見たくも無いね」
俺「・・・」
旧会長「・・・」
俺「・・・オチ弱くね?」
旧会長「・・・そうだね」
以上が、彼の戦いであった。
そして、彼のネタ人生を歩み始めた初戦でもあった。
ちなみに、ネタ人生かどうかは確認はとっていないが多分歩いてるだろう。
おっと、タイトルがちょっと気にいらないので直しておく。
『タバコと納豆、そして友情』
この物語は、主役は僕ではなく『旧会長』である。
これが彼の生き様だ。
P.S.
旧会長「そういえば、タバコはやっぱりだめ?」
俺「そりゃあな、食べ切れなかったし」
だが、そこまで俺も冷めた男じゃない。
彼の勇士に感動し、その生き様を称えて、
俺「1箱吸ったら10円でどうよ」
俺と旧会長は熱い握手を交わした(心の中で)