七
『闇鍋 - 弐 -』
この物語の始まりは、ポーションを見たときから始まった。
『これは鍋に向いている』
そう思ったのが、雪融けの頃だった気がする。
テストが終わって、僕は勇士を募る。
この戦に集まったのは、僕を含めて5人の男・・・いや、
漢(バカ)だった。
友人宅とは名ばかりの戦場に集まりし、僕らは戦前の一時を楽しんだ。
僕は、あの日の事を、ふと考えた。
あれから、僕は、どれだけ成長したのだろうか。
あれから、僕は、どれだけ強くなれたのだろうか。
様々な想いが交差し、僕らは最後の安らぎを終えた。
――これから、僕らは死地に赴く。
悪魔の宴が幕を開けた。
今回は、外ではなく家の中であることが救いだ。
おまけに夏だから凍え死ぬ思いをしなくても良い。
何よりも僕には経験がある。
精神的に気負いをすることは全く無かった。
では、今回の具材を紹介しよう。
こんぶ
白菜
大根
ニラ
しめじ
もやし
ピーマン
キュウリ
肉団子
牛肉
牛肉
牛肉
ちくわ
餅
生ラーメン
生ラーメン
インスタントラーメン(カレー味)
シーサラダ(カニカマ)
コンビーフ
まんじゅう
コアラのマーチ
焼肉さん太郎
焼肉さん太郎
焼肉さん太郎
焼肉さん太郎
焼肉さん太郎
焼肉さん太郎
イカのお菓子(名前忘れた)
中華丼の素
フルーチェ
ポーション
以上。
さて、早速ダシ作り。
僕が責任を持ってダシを作り始める。
僕「・・・これと、これ・・・と、これ、だな」
僕は慎重に見繕って鍋の中にぶち込む。
本日のダシは、
ピーマン、キュウリ、焼肉さん太郎。
どうだと言わんばかりに胸を張ったが、
友人達の引きつった笑顔が忘れられない。
さすがにこれでは、前と同じ最悪のダシになってしまう・・・。
ここで、改善を始める。
昆布と天カスをいれてみる。
・・・天カスからダシが出るとは思えない。
キュウリが異常なまでに自己主張している。
ちょっとウザくなってきたぞ・・・。
ちょっと味見。
僕「・・・カオス。」
皆が不安そうな顔を見せる。
さすがに焦りがでてきたぜ・・・。
ホンダシ、めんみ、などで味をつける。
味見。
僕「・・・めん・・・つゆ?」
めんみがここまでも自己主張するとはな・・・。
こんな僕を見ていられなくなったのか、友人の一人が交代を申請する。
潔く僕は場を退ける。
数分後。

明らかに、めんつゆだったものが、和風ダシに生まれ変わっている・・・!
なんたる魔法!なんたる奇跡!
美味しそうな鍋を前に僕達は、喜んだ。
この時、キュウリが邪魔だったので、鍋からとる。
すっかり茹で上がっていた。
勿論、食材を無駄にしないのが鉄則なので、食べる。
パク。
僕「・・・カオス。」
軟らかい上に味がない。
いや、変にダシを吸ってほのかなめんつゆの味はしたか。
そして、鍋を食べ始める。
これなら普通に食べれ・・・いや、結構美味いぞ。
この味は悪くない。
食べていると、不思議なものを発見した。

ピーマン
キュウリ
・・・。
なんだ、なんだ、こればかりは・・・美味しくなかった。
ある程度具材が減ったので、生麺を追加する。
皆して、
「これ・・・美味いの?」
みたいな顔をしていた。
ああ、正直、僕もしていた。
味見。
僕「・・・うめぇwww」
ほんの僅かな時間で麺が消失。
ああ、美味かったなー。
ちなみに、
焼肉さん太郎は、すっかり味が抜けていたそうだ。
この辺りから、徐々に皆が食べなくなる。
・・・まあ、そんなものか。
そして、"普通"の鍋が終わりを告げ、
"闇"が始まる。

―混沌領域。
その言葉が僕の頭を過ぎった。
コアラのマーチを食べてみる。
僕「ちょwwwうぇwwwカオスwww」
食べた皆が、吐く寸前まで危険な状態になる。
チョコレートはヤバイ。
コアラのマーチに恐怖を覚える。
そして、誰しもコアラのマーチを食べようとしない。
・・・鉄則を忘れるわけにはいかない。
食べ・・・るか。
1つ、2つ、3つと食べていくうちに僕の中で何かが変わる。
僕「マーチうめぇwww」
魂が、崩壊した。
僕を見る友人が、変なものを見る目をしていた。
まあ、そりゃそうだろう。
かろうじて残っていた理性が、同じ事を考えていたからだ。
不味いけど、美味い。
すっかりマーチ中毒になった僕は、すべて食べた。
一方、その頃。
もう一人、格闘している友人が居た。
まんじゅうである。
皮が相当なまでに不味いらしい。
それを横目に僕は狂っていたわけだが、彼も相当なまでに苦しかったようだ。
何とか、食べきる。
麺だけが何故か美味い。
何故だ・・・?
そして、"闇"は進化する。
ポーションとフルーチェが夢のコラボレーション。
かき回して、フルーチェを固体化させてみるが、牛乳が無いので全くかたまらない。
味はまだ解らないが、きっと不味いだろう。
だって、臭いが既にカオスなんだもん♪
フルーチェの甘い香りが、いろんなものと混ざってケミストリーを起こしている。
固まらないので、仕方なく、
牛乳を入れてみる。
お、お前ら・・・好きだ!!
当然固まらない。
固まるわけがない。
・・・さあ、はじめようか。
僕達の魂と、お前の"闇"のどちらが強いか。
僕達は、闇の中へ突っ込んだ。
ただ我武者羅に突っ込んだ。
これは終わりなのではなく、長い長い旅路の始まりなのだ。
そして、僕らは。
・・・散った。
これが俺の生き様だ。