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<強い家のカンタン比較判別法>  

最近の住宅メーカーや工務店は、
どこに行っても強い家ですと自社の性能をアピールされますが、
どうやって、家の強さを比較したらよいのでしょうか?

ここでは、3つのポイントについて、比較検討してみましょう。

@施工会社の保証期間を比較する →施工会社の体制を比較する
A住宅性能表示制度で比較する →自分の家について確認する
B住宅性能表示制度にあらわれない部分を比較する →仕様規定か?性能規定か?

@施工会社の保証期間を比較する

どんなに優れた工法だと説明されても、実際の保証期間が短かければ、
建物の強さに自信があるとはいえませんね。建物の保証範囲は、大きく2つあります。

@構造躯体・・・基礎、柱、梁、接合部など躯体にかかわる部分です。
A防水部分・・・屋根やバルコニーなど防水にかかわる部分です。

まず、構造と防水に関して、基本は10年となります。
品確法で住宅性能表示制度を利用すると、
施工会社は10年間の保証を、義務づけされます。

10年以上の保証については、
各住宅メーカーや、工務店によって、独自に決められています。

だいたい10年ごとの点検をしていくと、
躯体については、50年や60年保証してくれるところが多いようです。

構造に自信のある施工会社では、
期限を定めず、建物が続く限り保証を延長してくれるところもあります。

また、保証期間について、口頭だけでの確認では、不安です。
必ず保証書のサンプルを見せてもらって、
その施工会社の保証内容とその期間を確認しておきましょう。

A住宅性能表示制度で比較する

住宅性能表示制度で比較できる建物の強さに関する項目は次の4つです。
等級は数字が大きいほど、レベルが上ということになります。

表示性能 等級
@構造の安定 耐震等級 @ A B
耐風等級 @ A
地盤や基礎の構造 形式・対策を確認
A火災時の安全 感知警報装置設置等級 @ A B C
耐火等級(開口部) @ A B 
耐火等級(外壁など) @ A B C
B劣化の軽減 劣化対策等級(構造躯体など) @ A B
C維持管理
更新への配慮
維持管理対策等級(専用配管)
@ A B

@構造の安定

耐震等級が@とは、建築基準法で定められた性能があるという意味です。
耐震等級がAとは、基準@の1.25倍の強さがあるということ。
耐震等級がBとは、基準@の1.5倍の強さがあるということになります。

耐震等級については、強さだけを考えると等級Bがよいのですが、
家全体の魅力を考えると、単純に等級@より等級Bのほうがいいとは、いいきれません。

等級を上げていくには、耐力壁の量とバランスが必要で、
それにつれて、間取りの自由度が制限されていくからです。


個人的には、
吹き抜けや、大開口の空間性を求めるのであれば、耐震等級Aを、
単純な形や、一般的な開口部であれば、等級Bを目指していくのが現実的であると思います。

●具体的な等級の決定のすすめ方

まずは、等級@の前提で、間取りの自由度を優先しながら計画を進める。

間取りが固まってきたところで、
等級A、等級Bにあげるには、どのような制約がでてくるのか?
コストはいくらアップするのか?を具体的に確認する。
(開口部を少し小さくしないといけない。家の中に耐力壁を追加しないといけない。など)

制約条件とコストを確認した上で、
等級をAやBに上げるのか、等級@のままでいくのかを決定する。

B住宅性能表示制度にあらわれない部分を比較する。

住宅性能表示制度の耐震等級でBがとれていても、それだけではまだ十分とはいえません。

実は、2階建ての木造住宅の場合、ほとんどの住宅が構造計算をされていません。

それは、建築基準法においても、住宅性能表示制度においても、
500u以下の2階建て木造住宅については、構造計算を義務づけられていないからです。

多くの施工会社は、木造の壁量計算を構造計算だと宣伝しています。
壁量計算とは、構造計算とは似て非なるものです。

壁量計算は、筋違いの長さを規定の枚数入れるだけで、耐震基準をクリアできてしまいます。
その規定自体が経験とカンにもとづいているものなので、
本当の意味での信頼はできません。

なぜ、今だに構造計算ではなく、壁量計算の基準が採用されているのでしょうか?
それは、多くの施工会社がそんなに急には、
構造計算にもとずいた施工体制に対応できないからです。

昔ながらの在来工法の会社が、構造計算の必要な集成材工法に切り替えるには、
多大な手間と労力が必要です。

消費者保護より、建設業界保護の立場から、
今だに壁量計算の木造住宅でも建築可能という状況になっています。

しかし、2000年の建築基準法改正により、
壁量計算(仕様規定)から構造計算(性能規定)への流れが明確になりました。
今後、この流れは少しずつ浸透し、いずれ壁量計算はなくなっていくものと考えられます。

2000年までは、選びようがなかったのですが、
これから、住宅の建築を考える方にとっては、
壁量計算ではなく、構造計算の工法を選ぶことが、必要です。

仕様規定    性能規定  

(2000年からの基準)
構造の考え方 壁量計算

・仕様規定よる仕様と材料であれば、
基準をクリアする

・2階の梁のスパンや、梁の大きさは
経験とカンで決められる
構造計算

・性能規定による実験による検証と
許容応力度計算による
構造計算により決められる。
材料 強度ではなく、
見た目の等級で選ばれたムク材
強度計算された構造用集成材
メリット ・部材工法が広く普及している

・多くの職人が建てることが可能

・材料の選択により、
安価に建てることが可能
・確実な構造強度が得られる

・より自由で開放的な
空間デザインが可能

・転売するときに、有利
デメリット ・対応できる施工会社が少ない

・転売するときに、不利
・コストアップになる
工法 ・在来工法 ・SE工法

・SMJ工法など

なぜ、今だに木造住宅についての

構造計算が義務付けられていないのかについては、

この本で詳しく解説されています。




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