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○角膜混濁(ヘイズ)
PRKは上皮細胞とともに角膜実質を除去するために、その創傷治癒過程で2次的にコラーゲンを産出する。この再生コラーゲンはランダムに配列するために、正常な透明角膜と異なり混濁する場合がある。レーザー照射面に生じた混濁はコントラスト感度の低下、グレアや近視矯正効果の原因になりうる。混濁の抑制にはステロイド剤の点眼が有効であるが、矯正量の多い症例では、それにも関わらず生じることがある。

(左写真;奥山式PRK後の混濁、右写真;通常のレーシック眼、透明度が確保されている)
(東京大学医学部付属病院眼科にて撮影)
○不正乱視
不正乱視は、主として角膜の形状異常によって引き起こされるものであり、矯正視力の低下として捉えられ、ハードコンタクトレンズの装用、角膜移植によって治癒されている。また、眼鏡、ソフトコンタクトレンズは球面と円柱面のみの矯正であって、不正乱視の矯正は不可能と考えられている。 矯正が不可能になった場合には患者は社会的廃人になる危険性もあることに留意する必要がある。
本事案は奥山式スーパーPRKを施術した結果発生した不正乱視であり、奥山式スーパーPRKには不正乱視にともなう重篤な合併症を発症させる危険性を内在している近視手術であることが、裁判の審理によって明らかになったと考えられる。

(左写真;奥山式PRK後の不正乱視、右写真;通常のレーシック眼、正常な状態)
(東京大学医学部付属病院眼科にて撮影)
エキシマレーザー屈折矯正手術のガイドライン
日本眼科学会エキシマレーザー屈折矯正手術ガイドライン起草委員会は、エキシマレーザー屈折矯正手術のガイドラインを答申している。
(最新版) (旧版;参考資料)
屈折矯正医療の現状
『屈折矯正手術の評価が高まり、日本でも手術を受ける人が増えてきましたが、それとともに問題も発生しています。』
『眼科専門医以外の医師が手術
エキシマレーザーによる屈折矯正手術は、費用が一眼で20万〜40万円と高額です。しかし、手術が眼科医ではなく、形成外科や内科医などによっても行われており、トラブルが発生しています。トレーニングを積んでいないのでトラブルが発生しても適切な処置をとれないところに問題があります。』(日本眼科医会より)
眼科専門医の広告について
『厚生労働省は平成14年4月から施行した専門医広告の告示のなかで、専門医資格を認定する学術団体の基準を定め、この基準に合致した団体によって認定された専門医を、広告可能な専門医資格としている。』(日本専門医認定制機構より)
医療法69条で認められている『眼科専門医』の屋外広告をする場合には、日本眼科学会の認定が必要になる。また『屈折専門医』なる資格そのものを公的に認定する機構は日本に存在しておらず、平成18年1月1日現在、厚生労働省は、諸外国の『専門医』資格を認定していない。当然にして、認定なしに屋外広告などに『眼科専門医』の広告表記をした場合は行政刑罰の対象になると考えられる。
しかし、『眼科専門医による近視手術』『手術は眼科専門医で受けよう』などインターネットや書籍物で表記していながら、実際には日本眼科学会の認定を受けていない例もある。このような誤解を生む表現は慎むべきではないかと問い合わせると、『私が日本眼科学会認定医だと表記したものをどこかでみたか!』などと返答する例まである。
食品衛生法の誇大広告表示規制の例をみるまでもなく、国民の保健衛生上の見地から医療法の医療資格表示規制は日本国憲法において当然に予定されており、すでに合憲判断が下されている(最高裁大法廷昭和36年2月15日判決)。表現の自由の観点においても、営利的言論や商業目的表示までもが優越的自由とみる必要はなく、患者・消費者保護などに配慮した合理的な制限とみることができる。
眼科専門医の広告に限らず、これらの表記が書籍、書籍物の広告の体裁やインターネットで行われており、脱法行為まがいの誇大広告が横行している現状がある。ので、手術を希望される患者さんは注意すべきと思われる。
改正医療法
平成19年4月1日より改正医療法が施行されました。大きな改正点は医療広告に関する広告し得る事項等及び広告適正化のための指導等に関する指針(医療広告ガイドライン)が定められたことです。今まで野放し状態であった、自費出版本、書籍物の宣伝を装ったビラや雑誌記事などが医療広告類似物とされ規制の対象になりました。これらの書物や記事などが誇大広告の温床になり医療被害につながったことを受けた処置とおもわれます。
とくに美容外科周辺の診療科の誇大広告が酷く、癌などの難病の患者の弱みに付け込んだ悪質、高額な薬剤販売もこれらの手法によって宣伝されたもので、被害を受けた患者に対して「自己責任」などとは言っておられない社会状況でした。
私も医療被害者の一人として裁判開始当初から厚生労働省の担当官には、問題と思われる医療機関作成の自費出版本、その書物の販売を装い、実質は医療広告目的の宣伝びら、医療広告を目的としたと推認される雑誌記事などを送付して、問題点を指摘してまいりました。このガイドラインにはその問題点がほとんどすべて指摘されており、私以外にもこれらの脱法行為まがいの誇大広告については懸念を抱いていた多くの医療関係者がいたのだと思われます。
このガイドラインをまとめられた関係者の方々には、そのご尽力に敬意を表するとともに、あきらめず地道な努力が実を結ぶものだと感無量です。
複雑化する現代社会においては、これらの医療ガイドラインは民主主義を補完する大きな役割が期待されております。ぜひ一読していただき、誇大広告と思われる書籍物やインターネットの表記と比べてみていただければ、納得していただける部分が多いとおもわれます。
東京地方裁判所民事医療集中部判決動向
現在、東京地方裁判所においては医療過誤訴訟を民事34、35部において集中的に審議して裁判の迅速化に取り組んでいます。ところが、LASIKにおける近視手術失敗にともなう訴訟においては軒並み患者が敗訴しています。当然にして患者は控訴しましたが、「被害が在る以上は医師の責任を回避できない」との東京高裁の和解勧告によって和解が成立しています。地裁とのねじれ現象が常態化しているわけです。
驚くことに、ことごとく患者敗訴判決を下した地裁の裁判長は同一の裁判長で、医療集中部転属前の行政訴訟判決も上級審でことごとく逆転しています。さらに訴訟を提起された医療機関は、これも同一の医療機関・医師とおもわれます(患者は当然違います)。
近視手術は、美容目的の要素が強いために、被害を受けた患者は泣き寝入りしがちです。それにもまして、これほど医師に有利な判決が、同一の裁判長のもとで、同一の医療機関に対して続くと、根本的な問題が裁判制度にあるのではないかと考えさせられます。すくなくとも下級審の裁判長は上級審の判断を尊重した判決を下すべきです。
私はこの裁判長が何か近視手術をうける患者を色眼鏡で見ているような感じがしてなりません。「近視手術を受ける患者は法的に救済する必要なし」との思想はそれはそれでもよしとして、同じ医療機関が立て続けに訴訟沙汰を起こしている現状を放置するのは片手落ちだと考えます。
近視手術とジャーナリズム
私が、この近視手術を知ったのは週刊金曜日の特集記事(山中登志子記者)がきっかけです。いまでもあの記事を読まなければ私の左目は救われたのにと残念に思います。山中記者は自身の障害(先端巨大症)を公にして、ふたたび近視手術について発言を開始しています。たしかに障害についてはお気の毒ですが、それと近視手術は別次元のはずです。たとえ山中記者が障害者であっても、消費者の味方を自認して、一方的な思い込みで記事が書かれ、その記事を読んだ患者が、手術を受け失敗したとしても「患者の自己責任」とされ、山中記者が責任をとってくれるわけではありません。われわれ患者はより慎重に宣伝まがいの記事には注意すべきと思います。
山中登志子その虚像と実像
手術体験談
手術を受けるに際しては、 「術後少々の見えずらさはあっても、近くも遠くも見えなくなるような重篤な視力障害」が私自身にまさか起きるなどとは想像すらしませんでした。
コンタクトレンズや眼鏡で正視状態だった眼が、片眼と言えど術後直後から混濁・不正乱視によって見えなくなることは、仕事どころか日常生活すらままならなくなり、その肉体的・精神的苦痛は想像を絶するものです。とくに、近方の視力低下が著しく、遠方を含めて右目の視力で日常生活を送っているのが現状です。
回復を期待して大学病院等、多くの眼科の診察を仰ぎましたが、さじを投げられた格好です。各社のコンタクトレンズの処方も試みましたが、角膜からレンズがずれてしまいます。またアメリカに渡り角膜移植も考えましたが、結局踏み切ることができずに今日にいたっております。
「裸眼で生活したい」と夢を描き、大金を投じて受けた手術ですが、無残な結果に終わり、自分の浅はかさを悔やんでも悔やみきれません。奥山式スーパーPRKを受けて本当に後悔しています。他院でのできことですが、私以上にひどい症例も現実にはあります。
大切な視力ですから、手術を希望される患者さんは、慎重の上にも慎重を重ねて納得してから、受けてほしいと思います。
お便りから
最近、こころ温まるご支援のメールをいただきました。ありがとうございました。その方は手術を受けられ成功された患者さんです。また中にはLASIKで不正乱視が起きた患者さんからのメールもありました。
手術の失敗例などこの手術の負の部分の情報でも、積極的に開示すべきであると私は考えております。それが結果的に医師・患者双方の利益にかなうものと考えます。
スーパーPRKとはどのような近視治療なのか、判決文を精読していただけるとスーパーPRKの医療実態を把握することができます。
お礼
この事件を担当された弁護士先生をはじめ大学病院の先生、ならびに多くの眼科医先生に応援をいただきありがとうございました。この場をかりてお礼申し上げます。
編集後記
厚生労働省が医療用器具としてレーザー装置を承認して以来レーシック花盛りの近視手術ですが、日本の近視手術には哀しい過去があります。RK(旧ソ連のフョードロフが軍部の協力を得て開発したとされる)角膜前面放射状切開術が日本に紹介された当時の眼科学会は、その危険性を指摘して抑制方針をとりました。多くの眼科医はその方針に従い、その術式を治験段階に留めました。しかし、専門外の内科医や美容外科医などがその営利性に目をつけ、学会の方針に従わずソ連や台湾などに渡りRKの手技を取得して多くの患者に施術しました。結果、杜撰な手技や適応を見定めない無謀な手術が横行し、またRKのもつ本質的な欠陥による矯正精度不良(過矯正、低矯正)、不正乱視などの合併症が多発しました。
RKはその根本的な問題点を解決できず一時的なブームに終わり、「RKはすばらしい」などと宣伝した医院も現在行っていません。RKを抑制する眼科学会の当時の指導方針は結果的に正しかったことを証明する形になりましたが、その反面、専門外の医師の参入を許したことが後々多くの禍根をのこすことになりました。
被害が多発して裁判が提起されましたがその過程で、「安全な治療を目指そう、患者には正確な情報を提供しよう」とは逆の方向、「失敗した場合の裁判対策を完璧にする」「いかに患者を泣き寝入りさせるか」、さらに「被害者には訴訟を匂わせ黙らせる」などのいびつな、そして医療とは言えないおかしな方向に近視業界は捻じ曲がっていきます。未確認情報ですが、最近ではなんと「不起訴の合意」など手術前に訴訟権を放棄する同意書に署名させる例まであるようです。これなどは裁判対策の究極でしょう。
「専門外の医師に近視手術をまかせずに眼科専門医も積極的に関与しよう」との抗しがたい潮流から現在多くの専門医が近視治療をおこなっています。また、学会の方針に逆らい近視手術を行った医師たちの多くは、営利性がなくなるやもともと眼科ではありませんから、いつのまにか診療科目を美容外科などに再転科するなどして、もっともらし理由をつけて開業場所から消え去っていきました。なかには忽然と消えた例まであります。その点では浄化したわけです。しかし彼らが残した負の遺産「裁判対策完璧」は形を変えてさらに強固に変質し受け継がれています。
手術が成功すると感じることはないこの業界の暗黒面は、被害を受けるまでけっして見えてはきません。甘い言葉やうわべだけの善良さに惑わされると、その背後に潜むものには気がつきません。人を無防備に信頼したがためにひどい目にあいました。それがためにかけがえのないものを失い、一生苦しむハメになりました。身を守るのはあなた自身の情報収集能力とそれを生かす判断力だけです。無責任なマスコミなどは無視して、手術を受ける前には必ず複数の医師から意見を聞いてほしいと思います。
追記
本HPについて、『削除するか、内容を変更しろ』さもなくば『不測の事態』『刑事告訴』する、などの表現をもちいた文章が送付されております。穏やかではありません。医療被害者に対して、訴訟を匂わせて言論の封殺をはかるなどあきれた話です。被害にあって苦しんでいる患者に対してこのような文面を送りつける行為の中に、私にはこの人間の本質が見えます。このような言論封殺行為に対しては毅然とした態度で臨みたいと考えております。
本HPの内容は最高裁判所決定ならびに東京高等裁判所判決文、改正医療法を基に書かれており、全て事実であり、事実であることを証明できるものです。
関連法規
日本国憲法 第21条(集会・結社・表現の自由、検閲の禁止、通信の秘密)
1項 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
2項 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。
「法の理念は正義であり、法の目的は平和である。だが、法の実践は社会悪と戦う闘争である」。イェーリング
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