退職前後の心境 将来への不安

将来に対する不安といっても私自身のことではありません。先日、地方出張に同行してもらった30代前半の若手社員と40代中頃の中堅社員の話です。
若手社員は春に結婚したばかりの営業マンです。結婚したことによって自分の生活設計を真剣に考えるようになり、現在の会社の将来性に大きな不安を感じているとのことです。当面の経営状態に問題はなくても、建築関係の業界の10年後、20年後はまったく予測がつかないというのです。右肩下がりの社会の中で生き残れる会社かどうか疑問に思っているようです。奥さんの実家がある地方都市で暮らして何か商売をするのが夢ですが、具体的なアイデアがあるわけではないし、リスクの高いことはできないと言っていました。確かに当社は中堅クラスですから競争力が高いとはいえません。将来性を確信できない会社でズルズルと年をとることへの不安ということでしょうか。切羽つまった問題ではないので、若手社員も深刻に考えているということではないようですが…。


中堅社員の方は、若手社員よりも深刻でした。彼も営業マンで管理職ですから、目標達成のプレッシャーがあります。当社も、過去を振り返れば人員削減や賃金カットをしたことがあります。最近こそ業績は好調ですが、風向きが変われば真っ先に槍玉に上がるのが営業マンであることは彼も十分に承知しているのです。営業所の統廃合ということにでもなれば彼の居場所はなくなるおそれがあるということです。もう転職できるような年齢でもないので、少なくとも年金の受給資格が得られるまで、あと5年ほど、しぶとく現在の会社で生き残りたいと言っていました。

世の中、息の長い好景気が続いており、中堅クラスの当社も当面の業績に不安はありません。ただし、このような状況が何時までも続かないことは皆わかっているのです。それにしても働き盛りの若手、中堅がこのような不安を抱えながら仕事をしているというのは悲しいことですね。私は定年退職まで3年余です。勿論、会社に対する愛着はありますが、会社の将来について不安を感じる心境にはなりません。不安を感じる必要もないということでしょうか。これは喜ばしいことなのかどうか、複雑な気持ちです。


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