退職前後の心境 喫茶店の光景

朝、客先の事務所に直行するためにJR有楽町で下車することがあります。用心深い性格ですから、約束の時間に遅れることのないよう、かなり早目に着くようにしています。そのため、いつもは時間調整の意味も含め、有楽町駅前の180円コーヒー店に寄ることにしています。普通の喫茶店だとコーヒー一杯400円ほどしますが、180円コーヒーなら気軽に楽しむことができます。昔ながらの雰囲気の喫茶店も捨てがたいとは思いますが、頻繁に利用するとなると値段も無視できません。

この喫茶店は、サラリーマンやオフィスレディでいつも混んでいて、注文の際には4〜5人の行列ができることもあります。喫煙席は数が多いのですが常に満席に近い状態です。私も煙草を吸いますから、喫煙席に座れないと喫茶店に入る目的の半分をあきらめることになります。JRの特急や新幹線から喫煙車がなくなるなど、愛煙家にとっては不自由な世の中になりました。それだけに、遠慮なく煙草を吸える喫茶店は貴重な存在です。

その日も喫煙席は満席でしたが、私がブレンドを注文している時に一人店を出たため、座れることになりました。と思ったら、私の後ろに並んでいた人が空いた席に荷物を置いて列に戻ってきました。勇気がないものですから、「それはないでしょ」と心の中で文句をいいましたが、何か割り切れない気持ちでした。さいわい、もう一人店を出て行ったため、喫煙席にすわることはできましたが、なさけない世の中になったものです。

自宅の最寄JR駅の近くにも180円コーヒー店があり、ある日の午前10時ごろに立ち寄りました。店内を見回すと、やや年配の方が何人もいて本や新聞を読んでいました。友人が言うには、彼らの多くが定年退職をした人たちだろうということです。自由な時間を楽しんでいるのか、十分過ぎる時間を持て余しているのかわかりませんが、いずれにせよ、都心の喫茶店に比べて時計の針がゆっくりと回っていることは確かだと思いました。

TOPページ 退職前後の心境