ウマズラバキ


馬面をした餌盗り名人 ウマヅラハギ
 ウマヅラハギは、昭和30年代の後半に瀬戸内海で大発生し、昭和43年頃から西日本で目立って増え始め、近年全国的に大繁殖し公害に強い魚として話題をまいた。
 釣人に嫌われるのは、釣餌取りの名人に恥じない、技巧派なためである。
 体は長楕円形で薄っぺらく、口はおちょぼ口で目は小さい。頭の上に立てたり寝かせたりできる1本の長くて鋭いトゲがあり、このトゲの後側はギザギザののこぎりの歯形に切れ込み、網に引っかかったのを外す時は大いに苦労する。
 皮膚は硬いなめし皮のようで、前面に微細なトゲがありザラザラしている。
 体色はオリーブ色で下方は淡く、背びれとしりびれは鮮明な青緑色で美しい。
 静かに餌をついばんでいる姿は温和そのもの、動作は大変鈍く間の抜けた愛敬がある。
 肉身はしくてさっぱりとし、わずかに苦味があり、味は近縁のカワハギに劣る。
 口元を切り落とし、そこから皮を尾の方にかけて勢いよく引っ張ると綺麗にむける。