ツバメウオ


左右に平たく体高が高い ツバメウオ
 南方のサンゴ礁に普通に見られる魚で、サンゴ礁や岩礁の上を2〜3尾くらいで悠然と泳いでいる。
 体は菱形で左右に平たく、体高が高くて頭が小さい。吻は短くその先に小さな口がついている。
 各鰭は円味を帯びて大きく、特に背鰭と尻鰭の前の方の鰭が長くのびているが、ことに幼魚時代の方が長い。体色は暗灰色から濃褐色で三条のの暗褐色の横帯がある。
 10cmに満たぬ幼魚のツバメウオは、沖の流れ藻にもつく、海藻や木の葉そっくりな茶褐色の色形で、体を横倒しにして水面に浮き、しかも時にクルクルと回る様子は面白い。
 佐渡島地方では、幼魚が希に暖流に乗ってくることがある。
 成長につれて深みへ移動する。稚魚は単独遊泳で、めったに群泳しないが、成長すると群棲する。
 特に潮流の早い海底では群行動が著しい。大きいもので50cmに達するが、県内では晩秋の頃、定置網に20cm程度の稚魚が入ることがある。
 熱帯地方では重要な食用魚となっている。