トビウオ


夏告魚で飛翔する トビウオ
 佐渡の海岸でトビウオが獲れ出すと、夏の訪れを告げることになる。
 多くの魚の中でも飛ぶ魚で高さや距離において、トビウオの右に出る魚はない。
 トビウオ類は日本近海だけでも14種類くらいの仲間が知られ、全てが飛んでいる。
 日本海で漁獲されるトビウオ類はホソトビシクシトビウオで、佐渡地方ではアゴ、タチヨ、トビオと呼んでいる。
 トビウオの体形を頭の方から見ると逆三角形、つまり背中平坦で腹側が細く尖っている。
 体長の5分の4にも達する胸鰭は、長いだけでなく、大きな鰭膜が幅広く広がり、つながって立派な翼となり、見事な飛行への適応である。
 内臓も体を軽くするため、胃がなく、腸も短くて食道から肛門までが一直線に近くなっている。そのため食物は直ぐ消化し、糞などはためないようになっている。
 飛び上がる高さは10m、飛行距離は400m、滞空時間は42秒が世界のレコードである。
 胸鰭は羽ばたかずグライダーの滑空と同じである。
 肉は脂肪が薄く、淡白で焼き魚が良い。
ツクシトビウオ
ホソトビウオ