テンジクダイ


卵塊を口中で保護する
 県内の中越地方でネコノヘド、下越地方でナナキザと呼ぶ。
 沿岸暖海系の小魚で、北海道以南の日本海各地、朝鮮半島、中国大陸沿岸に広く分布している。
 体は楕円形で側扁し体高は高く、頭、ことに目と口は大きい。下顎は上顎より突き出し、両顎に細かい歯が生えている。
 えらぶたのヘリは、ノコギリの歯のようである。体色は灰色で体側に10本程の灰褐色の横縞があり、小型種で体長は7cmである。
 内湾から深さ100mまでの砂泥底に群れて生息し、底引き網にまとまって入る。
 産卵期は夏で、産卵数は1,500〜12,000粒、卵は粘着性があり卵塊となる。
 産み出された卵塊は雄が口に入れて保護する習性がある。小型の甲殻類などの底生小動物を食べている。
 雑魚として扱われ、煮付け、焼き魚にして食べるが価値は低い。