タチウオ


白銀に光る タチウオ
 体全体が銀白色光り輝き、扁平な帯状で、長いタチウオはまさに刀のようである。
 普通の魚と違う点は、口が大きく下顎が突出し、顎は鋭く堅固で強大な犬歯がかぎ状に曲がり、一度くわえた獲物はめったなことでは逃げられそうもない。
 背鰭は非常に長く、後頭部から尾まで達する。胸鰭以外の腹鰭、尻鰭、尾鰭は退化し、尾は細長い紐状で鱗もない。
 体色は銀白の粉末におおわれ、ツルツルした体の前面にふいている。これはグアニンという物質で、模造真珠の材料に利用される。
 タチウオの大きな物は1.5mに達し、本州の中部以南に多く、瀬戸内海、黄海、東シナ海には特に多い。
 南の海で越冬し、夏は北方へ回遊するが、秋の終わりに再び南方へ帰っていく。
 昼は水深100m位の海底で、頭を上にして直立し、背鰭を細かく波打たせて前進する。
 集魚灯に集まり、生きのいいタチウオは刺身、照り焼きにする。肉は白身で小骨が多いが、柔らかく脂がある。