タツノオトシゴ


雄の育児袋で保護する タツノオトシゴ
 日本各地から朝鮮半島南部で磯の藻場にすんでいる。
 奇妙な体つきと、泳ぐ姿勢とは魚ばなれしているが、正真正銘のりっぱな魚で、体長6〜7cm位の小型種である。
 体軸と頭軸を結ぶ線はほぼ直交し、尾鰭はなく尾部で物に巻きついている。
 背鰭は小さく、体全体に骨のような節があり、特に尾の方が発達している。
 鰓ぶた退化して鰓あなはごく小さい。
 目から先は管のようになり、その先に小さな口があり、小型の甲殻類などを吸い込んで捕食している。
 雄は尾の腹側に育児袋があり、受精卵をふ化するまで保護しており、9mmほどの親魚と同じ体形で、20〜30尾を初夏に産んでいる。
 体色は異変が大きく、黒褐色が多いが、環境により黄や赤味のものに変化している。
 平素は尾を海藻に絡みつかせていることが多く、頭を上に、背鰭をせわしく動かして立ち泳ぎしている。
 食用的価値はないが、形が奇妙なので愛玩用として飼育される。
 乾燥して安産のお守りにする。
タツノオトシゴ