スズメダイ


海中を乱舞する スズメダイ
 夏の海に沢山ノスズメダイが群れを作り、特有のリズムを持ち乱舞する景観は、佐渡地方の海中を観察すると特に見られる。
 目の前をスーツと進んでは止まり、また方向を変えて前進する軽快な動きが印象的である。
 夜は群れが解けて単独生活をしているらしい。
 スズメダイの語源は、「スズムレ」の意味だとされており、つまり群集性のある小魚ということで、この魚の名前は生態を良くあらわしている。
 体色はやや紫がかった黒茶色で、背鰭の下に白い真珠状の斑点があるが、水から魚を出すと消えてしまう。
 これはグアニン層があるためで、水中では光を反射する。
 体長は10cmぐらいで、秋田県、千葉県以南の東シナ海に分布している。
 産卵期は県内では夏で、雄が岩礁の凹部を清掃して数尾の雌を誘い産卵をうながし受精させる。
 ふ化するまでだ孫を保護するのは雄である。
 肉身は不味で食用的価値はなく観賞用である。
 沖縄ではカツオの活餌にし、北九州では塩干にして焼いて食べている。
スズメダイ