サ ヨ リ


下顎が突出するサヨリ
 体形はサンマによく似ているが、サンマと違って下顎が著しく突出し、その先端が美しい桃色なので区別される。
 サンマが外洋性なのに対しサヨリは沿岸性で、内湾や沿岸の浅瀬に棲み汽水域にも入る。
 下顎の突出しは稚魚時代から長いのでなく、生まれて間もない頃は普通の魚と同じであるが、成長と共に下顎が次第に長くなり、体長5cm位が、体の割合で最も長くなり、以後はそれが幾分短くなって落着くという。
 サヨリはものに驚きやすい臆病な魚で、負われると逃げ惑い水面をジャンプする。
 長い下顎は食物を捕る際に邪魔だと思われるが、この長い下顎をスプーンのように巧みに使って、プランクトンを掬い捕っている。
 佐渡地方ではシヨビ、サイルと呼び、日本列島の全沿岸に及んでいる。
 産卵期は県内では5月頃、雌は2年、雄は1年で成熟し、産卵期を迎えるとホンダワラ類が繁茂する場所で採卵する。
 肉は白身で半透明で、刺身、すし種、昆布じめ、吸物に入れて食べる。