ノコギリザメ


兇器で砂掘り ノコギリザメ
 暖海系の魚で、北海度の日本海側、本州、四国、九州に分布するが、近年は全国的に漁獲が減少している。
 サメの中でも変わった形をしており、体は細長く紡錘形、腹面は平らで吻は扁平に伸び、その両側に大小不同の鋭い棘が一列に並び、ノコギリのようになっているのが特徴です。
 くちばしの中央部には、一対の長いヒゲが出ている。尾の付け根の近くの両側に隆起線がある。
 尻鰭はなく、第一背鰭と第二背鰭は同じ長さで、目はやや大きいが、しゅん膜がなく、目の直後には大きな噴水孔がある。
 体色は全体が黄褐色で、腹側は薄い。
 全長は1.5mに達し、浅海の砂泥底に生息し、長くて鋭い口先を利用して砂泥中の小さな生物を掘り起こすのに役立っている。
 春先から夏にかけて12尾程の胎仔を産み、サメ類としては多産の部類に入る。
 南アフリカには鰓孔が6対(普通は5対)という変り者や、大西洋産には数百メートルの深海に生息する仲間もいる。
 白身の肉は臭気がなく、蒲鉾やハンペンに利用される。
 このサメは水族館での飼育は難しく、僅か数日間しか生存してくれないという。
ノコギリザメ