ニジカジカ


頭部に房や棘がある ニジカジカ
 カジカ類に属する種類は多く、なかでもニジカジカによく似る県内産はツマグロカジカ、アイカジカなど形態、色彩が紛らわしい。
 体は細長くて丸みがあるが、頭は大きく、尾部は細くて左右に平たい。眼の上に房のような皮質のひらひらがあり、後ろ頭にもひらひらが生えている。鼻の棘は鋭い三角形で、上顎は下顎より長く、上顎後端は眼の後縁下に達する。えらの前ぶたのへりにも4本の棘があり、側線と腋に骨板が並んでいる。
 体色はやや赤みがかった淡褐色で、褐色の斑紋が散在し、幅広い横縞が6条ほどあり、腹側は白色で全長は30cmぐらいである。
 冷水系の魚で、日本海側は山陰以北、太平洋側は岩手以北、オホーツク海に分布する。
 両顎に生えた細かい歯で小魚や小動物を捕食している。
 水深50mぐらいの砂礫海底に群棲し、産卵期は4〜5月頃接岸し粘着卵を産む。
 底引網、刺網で獲り、身がしまって硬いが鍋物や味噌汁が良い。
 鮮度が落ちると体色が薄れるので、濃淡によって鮮度が判る。