ニ ザ ダ イ


尾の両側に四個の小板が並ぶ ニザダイ
 体は卵形で左右に平たく、尾鰭の付根に3〜5本の棘があり、その周りが黒いので別名をサンノジ、サンジルシとも呼ばれている。
 厚ぼったい尖った口先は小さいが鋭い歯で、磯につく小動物や海藻の若芽をかじりとって食う。
 幼魚は潮溜まりにもいるが、一般に水深5〜30mの海底近くを数十尾で群泳している。秋が深まる頃、外海の磯では暗礁の斜面伝いに物陰のようにひっそりと移動してゆくニザダイの大群を見かけることえがある。
 磯釣りの対象魚として、強引な引き込みが釣り人に人気がある。
 熱帯や亜熱帯を主な棲みかとしており、我が国の日本海側では佐渡島より南、太平洋岸は宮城県以南に分布し、刺網や追い込み網でも多獲され、全長40cmに達する。
 海藻を好んで捕食するので、肉身は多少磯臭く、不気味な魚ではないが、味の評価は人によってかなり異なる。
 鮮度が落ちると内蔵の臭みが肉身にも移る。
 料理は皮をむいて食用にするとよい。煮付やチリ鍋にする。