ネズッポ


雌雄で形態色彩異なる ネズッポ
 別名をヌメリゴチともいう。
 体は細長くて上から押しつぶされたように平たく、口は小さくて前下方に伸出させることができる。
 眼は大きく、頭の上に飛び出しており、海底の生活に向いている。
 鱗はなく、えら孔は小さく背寄りに開いている。前のえらぶたの後方から出ているギザギザの棘は短い。
 オスは第一背鰭の第一棘が糸のように長く伸びていて、第四膜に一大黒色斑があるが、メスでは棘条は糸状に伸びず、鰭全体が黒褐色。
 尾鰭の中央部の鰭条はオスでは長く伸び、メスでは短い。
 体色は背側が茶褐色で腹側は銀白色なるも、オスの尻鰭の縁は黒っぽいが、メスでは灰色と、雌雄により鰭の形態や色彩に違いが見られる。
 全長は15cmに成長する。
 暖流系の沿岸魚で砂泥底に棲み、北海道以南、朝鮮半島、中国の水深60〜100mに生息する。
 体表面から粘液を分泌してヌルヌルしている。
 肉は白身で淡白な味で、天ぷらの材料にする。