ネンブツダイ


オスは口中ふ化する ネンブツダイ
 体は長卵形で左右に平たく、口は大きく、吻は尖り、下顎は上顎より少し突き出していて、鱗は大きい。
 背鰭は2基あり、前の方は7本の棘のみで軟条はない。尾鰭の後縁は湾入する。
 体色は桃色がかった淡赤色で、2本の黒色の縞がある。口先から頭の上を走り、2番目の背鰭の後方で終わるものと、口先から眼を通ってエラブタの縁で終わるものとがある。
 尾の付け根にも円形の黒斑がある。全長は12cmの小魚である。
 暖海系の魚で本州中部以南、朝鮮半島、台湾、フイリピンにかけて分布する。
 内湾や岩礁周りの水深100mまでの浅海砂泥底に住み、産卵期は7月〜9月で海面を群泳して産卵し、卵は12,000粒前後、卵魂は粘着糸によって繋がっており、オスは口の中へ卵魂を入れて保護するが、時にメスもする。
 口中ふ化と育成の間は絶食しながら子孫繁栄に努力する。
 稚魚のときに練製品、から揚げにして食べる程度である。