ナ マ コ


上顎が突出するカジキ
 ナマコは生こではなく、滑りこが略されたのだと古書にある。なるほどヌルヌルした粘液におおわれて、気持ちの悪い動物である。
 体は横に長く伸びた円筒状の左右相称、前端に口が後端に肛門が開いている。
 口の周りには房状の触手があって、体の背面には円錐状のイボイボがあり、腹面には3列の管足がある。
 「ナマコに骨なし」というが、実際は柔軟な外皮に微細な骨片があり、皮膚の中に埋もれている。
 ナマコを見つけたら、肛門のあたりを突ついていじめると、肛門から色々な内臓が出てくる。
 ナマコは敵に攻撃されると、腹などの内臓を肛門から出して、これで相手を脅かしている。
 再生力が強く、このように吐き出した内臓も2〜3週間で再生してしまう。
 夏には弱く、夏は砂の中に夏眠する。夜行性で保護色が強く、岩礁帯に生息するものは褐色、砂地に住むものは体色が一様に暗青緑色、または黒っぽい色をしている。
 柚が黄ばむ頃が最高の味で、冬至ナマコといっている。