ミシマオコゼ


グロテスクな顔 ミシマオコゼ
 オコゼと名が付いても、形は多少似ている程度で、砂地の海底に座り込み、浅く潜って砂をかぶってじっとしているところはオニオコゼのようだが、背鰭に毒があるオニオコゼとは、縁の遠い魚である。
 ミシマオコゼは頭が大きくて背面は平ら、口は垂直に開き、目は背面にあって上方を向いている。
 背鰭は第一と第二に分かれ、腹鰭が鰓ぶたよりずっと前の方にある。
 頭の両側には後ろ向きの4本の棘があり、うち2本は長くて牛の角を思わせる。
 県内ではサカンボと呼び、仲間のアオミシマと別するには、角の無い方がアカミシマであり、佐渡ではガンコとも呼んでいる。
 体色は灰色で、体の上半には青褐色の網目状紋がある。
 本州中部以南の浅海に生息し、体長30cm位になる。
 水族館で飼育すると餌を獲らず、水槽の壁にぶつかって頭部をこすり、顎を赤く擦り剥いてしまう。
 肉身は白くて硬く締まり、淡白すぎて美味しくない。
 ぶつ切りにして味噌汁の中に入れて食べる。
 肉は腐りにくいのが長所である。
ミシマオコゼ