マトウダイ


体側に大きな黒斑 マトウダイ
 体は平たくて銀色に輝き、側面の中央部に淡色で縁どられた黒くて丸い大きな一つの斑紋をつけていて、成魚と幼魚とでは多少異なる。
 沿岸の藻場に生息する幼魚時代は、淡黄色であって、白で縁どられた黒褐色の斑紋があり、弓を射るときの的に似ているので、マトウダイと名付けられた。
 県内ではクルマダイ、マツガレ、佐渡ではカネタタキと呼んでいる。
 本州から南日本にかけて分布し、内湾に多い。
 口に特徴があって、大きな口が斜め上方に向いていて、下顎は上顎よりも前方に突き出しているので、吸い込むようにして小魚や甲殻類を好んで食べている。
 12月から1月頃は、15〜20mの小石や砂の海底に生息するも、平素は水深150m域に生息し、沖合の船釣りで釣り上げられると、水圧の変化で腹部は膨れ、手で握るとグウッ、グッという低音で鳴く、水中で異変にあうと体色を暗黒色に急変させ、斑紋も一層濃くなる。
 夏が旬で、肉身は白色で味は淡白、刺身や煮付にする。