コンベイトウ


体表に骨質のイボがある コンペイトウ
 寒帯系の小さな底魚で、北部日本海、オホーツク海、ベーリング海にかけて広く分布する。
 体は卵型でふくれているが、尾は細くて左右に平たい。体全体が骨質のこぶ状突起で覆われ、こぶ先は尖っている。
 第1背鰭は小さくて低くて、皮膚の下に埋まっているが、第2背鰭と尻鰭は高い。胸鰭は大きく扇を広げたようで、その下に腹鰭が変化して出来た吸盤がある。眼から先の顔はつぶれたような形であり、両顎歯は小さな円錐形である。体色は淡い暗赤〜暗褐色で、全長は8cm足らずである。
 平素は水深100mより深い海底に岩などに吸盤で付いて動かない。8月頃の産卵期に大潮の干潮時、浅瀬の石の下や貝殻の内側に産卵し、その後メスは深みへ移動、オスは卵がふ化するまで付き添って保護し、害敵のカニやヒトデに対し、鋭い歯を武器にして追う払う。
 食用としての価値はない。