キ チ ジ


鮮やかな朱赤色 キチジ
 県内ではキンキンと呼び、体は長卵形で側扁し口は大きい。頭も大きめで強くて鋭い棘があちこちにあり、眼の下にある線のように盛り上がったところに、8本以上の棘がある。
 背鰭や尻鰭の棘も強大であり、胸鰭の下部は数本突起している。尾鰭の縁は截形である。
 体色は全体が鮮やかな朱赤色、背鰭の棘の部分に大きな黒い斑紋があり、全長30cm位である。
 北方寒帯系の底魚で、本州中部以北、北海道、オホーツク海に分布する。
 水深150〜400mの比較的泥が多い礫底に生息し、3〜5月の産卵期には水深150m前後のところに集まって産卵する。卵は寒天質の袋に包まれて紐上に浮いている。エビ、カニ類、クモヒトデを捕食する。
 白身の肉は脂気があって煮付、から揚げ、鍋料理にするとよく、背開きにして干物にしても美味である。小さな物は蒲鉾の原材料に使用される。